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寒雀
「寒雀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寒雀の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「チャンス」より 著者:太宰治
いかん》である。大寒の雀の肉には、こってりと油が乗っていて最もおいしいのである。
寒雀《かんすずめ》と言って、この大寒の雀は、津軽の童児の人気者で、罠《わな》やら....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
た。この頭は予備門へ這入っても黒くならなかった。それで皆《みんな》して佐藤の事を
寒雀《かんすずめ》
寒雀と囃《はや》していた。当時余は
寒雀とはどんなものか知らなか....
「道標」より 著者:宮本百合子
れたモスク※の軒々に、朝日がてり出すと、馬の多い町にふさわしくふとったモスク※の
寒雀がそこへ並んでとまって、囀《さえず》りながら、雪のつもった道の上に湯気の立つ....
「秋深き」より 著者:織田作之助
かい声で、 「あ、こら水みたいや。無茶しよる。水風呂やがな。こんなとこイはいって
寒雀みたいに行水してたら、風邪ひいてしまうわ」そして私の方へ「あんた、よう辛抱し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
尊氏は笑った。だが、どこか空虚をおおいえない笑いでもあった。 ふと。朝早い
寒雀のさえずりが耳につく。 尊氏は三名をそこへおいたまま黙って廊へ出て行った。....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
も「今様平家」の無常がある。 着ふくれたどてらの背をみなまるくして、合宿連中、
寒雀みたいに一つ炬燵へ起き揃う。健吉画伯ひとり、室生寺へスケッチに行くため、早朝....