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「寒鴉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寒鴉の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
り。飛ぶに禽《とり》あり。走るに獣《けもの》あり。池に金魚あり。枯木《こぼく》に寒鴉《かんあ》あり。自然はこれ一幅の大活画《だいかつが》なりと。どうだ君も画らし....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
んか。うぬが商売で寒い思いをするからたって、何も人民にあたるにゃあ及ばねえ。ん!寒鴉《かんがらす》め。あんなやつもめったにゃねえよ、往来の少ない処《ところ》なら....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いたのがそもそもの間ちげえで、ここの主人もよっぽどの明きめくらだ。おれが御歳暮に寒鴉《かんがらす》の五、六羽も絞めて来てやるから、黒焼きにして持薬にのめとそう云....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、じゃ風上だ」 「おまけにかなり風が強い――」 と、その北風の吹き揺する梢に、寒鴉のようにとまった男、なおもジッと見ていたが、 「――やッ。火事は駿河台の甲賀....
三国志」より 著者:吉川英治
るいて、ただ麓へ麓へと、うつろに道を捜していたが、気がつくと、いつか陽も暮れて、寒鴉の群れ啼く疎林のあたりに、宵月の気はいが仄かにさしかけている。 「ああ、故郷....
三国志」より 著者:吉川英治
うむった。燈籠祀りのあとは昼も晦く、燃えいぶった宮門禁裡の奥深く、冬木立に群るる寒鴉の声もかなしげだった。 わずかに、心から市人の胸を慰めたものは、御林軍の大....
私本太平記」より 著者:吉川英治
も侘びた禅室ですぐ裏の泉谷山には朝夕|鴉ばかり啼いていた。それに時は十一月。枯木寒鴉図そのままな冬木立の中でもあった。 「もどりまいてござりまする」 馬は山門....