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「寓意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寓意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
ら、五百人の力士の口へ一人も洩《も》れず注がれる。――そう云う天竺《てんじく》の寓意譚《ぐういたん》は、聞くともなく説教を聞いていた、この不幸な女の心に異常な感....
三四郎」より 著者:夏目漱石
らよかろう」と相談をかけた。 「電車に乗るがいい」と与次郎が言った。三四郎は何か寓意《ぐうい》でもあることと思って、しばらく考えてみたが、べつにこれという思案も....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
過去の三事件にはこの際論及しないにしてもです。いったいどうしてこの室が、かような寓意的なもので充ちているのでしょう。あの立法者の像なども、明白に迷宮の暗示ではあ....
音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」より 著者:寺田寅彦
その時のおおぎょうな甲高い叫び声が狩り場の群犬のほえ声にそっくりであるのは故意の寓意か暗合かよくわからない。この三人が、姫君のためにはハッピーエンド、彼らの目に....
土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
一 玩具と言えば単に好奇心を満足せしむる底のものに過ぎぬと思うは非常な誤りである。玩具には深き寓意と伝統の伴うものが多い。換言すれば人間生活と不離の関係を有するものである。例....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
の直截性が読者の心に響いたので従来も秀歌として取扱われて来た。そこで注釈家の間に寓意説、例えば守部の、「此歌は、天皇を安見知し吾大君と申し馴て、皇子を安見す御子....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
上げられた。それを彼の妻が読み、寓話であるべきものが幾分平凡な物語になっていて、寓意が明らかにされていないと非難した。彼はその非難を認めて、異った見地から新たに....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
のみじめな男の首を鋸挽《のこぎりび》きしている彼を、眼前に描きだしてみるがいい。寓意や提喩の泥のなかに二、三の有毒な文体を煮こんで、それから一人の男の死を一生懸....
シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
子供の頃は旅役者が巡業して来て組合役所《ギルドホール》の構内で幼稚な勧善懲悪的な寓意劇や史劇を上演し、少年シェイクスピアもそれを見物に行ったといわれている。 ....
徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
第六十八段、大根が兵士に化ける話は少し怪しいが、次の六十九段と合せて読んで見ると寓意を主として書いたものとも思われる。 迷信とは少し事変るがいわゆるゴシップの....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
る。句の前書には「琴心挑美人《きんしんもてびじんにいどむ》」とあり、支那の故事を寓意《ぐうい》させてあるけれども、文字の字義とは関係なく、琴の古風な情緒が、昔の....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
き。百鬼夜行《ひゃっきやこう》の図と鳥羽絵《とばえ》の動物漫画とは、さまざまなる寓意《ぐうい》の下に描直《かきなお》され、また当時物価の高低は富土講《ふじこう》....
教育の目的」より 著者:新渡戸稲造
大いに怨言を放ち、その医学生に憑《よ》り付くという随分ゾットする小説である。この寓意小説はただ理窟ばかりを詰込んで、少しも人間の柔かい所のない、温い情のない、少....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
つもない、みな使い方によっては立派に人間の向上、進歩、発展の薬になるものだという寓意を含んでおるのであります。 なるほど、そう言われてみると、神経過敏症が文学....
『西遊記』の夢」より 著者:中谷宇吉郎
た眼に、すぐ前の孟宗籔《もうそうやぶ》の緑が鮮《あざや》かにうつった。 仏教の寓意譚《ぐういたん》であるという『西遊記』が、これほど魅魔的《みまてき》に感ぜら....