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寔
「寔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「荒雄川のほとり」より 著者:佐左木俊郎
てたこの部落は、背後に畑地の多い丘陵があり、前面に水田が開けていて、農民小説には
寔《まこと》に都合のいい舞台を形成している。――私が農民小説を書き出した動機の一....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
得ぬので、N大尉は一部隊を以てこれを駆逐せしめた。当時、急迫の場合の措置として、
寔に、止むを得なんだのである。云々」と弁じている事件である。 約三十分の後、兵....
「模倣と独立」より 著者:夏目漱石
ない、当《あた》り触《さわ》りが宜いというので御座います。鮮《あざや》かで穏かで
寔《まこと》に宜い。それは悪い事とは思いません。そういう人に接している方が野蛮人....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
元々協調すべき農村と都市、農業と商工業とが互いに対立抗争するに至りますることは、
寔に遺憾に堪えないのであります。」 日本商工会議所はいうまでもなく、日本の大商....
「陳情書」より 著者:西尾正
がりかまち》に座布団を置いて坐わらせた丈で、何故か室内には招じ入れませんでした。
寔《まこと》に恐れ入りますが、もう少々お待ちを願います、と言われて見れば詮方無く....
「文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
なに東北地方が好きか?)と申されますと、これは理窟ではなく感情なのでありますから
寔に困るのでありますが、私は何故か、優秀な文芸作品から受けると同じような、熱情的....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
んりょう》との結果によりて得たる特殊の色調と、その極めて狭少なる規模とによりて、
寔《まこと》に顕著なる特徴を有する美術たり。浮世絵は概して奉書《ほうしょ》または....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
の有無《うむ》をも考えねばなるまい。日本の神社と寺院とはその建築と地勢と樹木との
寔《まこと》に複雑なる綜合美術である。されば境内の老樹にしてもしその一株《いっし....
「「プラーゲ旋風」の話」より 著者:山下博章
等別段の規定なしとして、前示の如き判決を下すことは、勇敢と云えば勇敢であろうが、
寔に危険千万ではある。 ベルヌ条約の第四条や第十五条では、著作者(Urhebe....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:鈴木行三
感じてほと/\真の事とも想われ仮作ものとは思わずかし是はた文の妙なるに因る歟然り
寔に其の文の巧妙なるには因ると雖も彼の圓朝の叟の如きはもと文壇の人にあらねば操觚....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
この一管の笛が差してあったのだという。 してみると、その笛は、彼女に取っては、
寔に、将来、自分の血液のつながりを捜し求める唯一の手がかりでもあるし、また、こう....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
り飲んで騒ぐことを例としていたが、その顔ぶれとすこし違って、今夜の彼のお連れは、
寔におとなしやかな人品だった。
そのお連れである近衛|信尹というのは、光広より....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
人も、いったい誰か、僧門の人には違いないがと、もう一度見直すと、 前法山 東
寔敬題 ※ 千古難消満面埃 龍顔不悦赴邦出 梁王殿上一徘徊 十万迢々越漠来 こ....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
一身の危急、つい前後を顧みている遑もなく、お船の内へ隠れ込んだ。――その上にも、
寔に無理なお願いであるが、どうか拙者をこのまま匿って、霞ヶ|浦の常陸岸か、鹿島の....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
国山脈の脊梁から吹いてくるそよ風が鬢の毛や、懐を弄って、一刻の午睡をむさぼるには
寔に絶好な場所だった。 「これはいかん、だいぶ食われた。……蜂までがおれを寝かさ....