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「寛い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寛いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
耽ると言ったようなことになりました。帰幽以来何十|年かになりますが、私が斯んな打寛いだ、なごやかな気持を味わったのは実にこの時が最初でございました。 それから....
女客」より 著者:泉鏡花
のある、藍と紺、縦縞の南部の袷、黒繻子の襟のなり、ふっくりとした乳房の線、幅細く寛いで、昼夜帯の暗いのに、緩く纏うた、縮緬の扱帯に蒼味のかかったは、月の影のさし....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
の十畳に、もう床は並べて、膝まで沈むばかりの羽根毛蒲団に、ふっくりと、たんぜんで寛いだ。…… 寝床を辷って、窓下の紫檀の机に、うしろ向きで、紺地に茶の縞お召の....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
極りが悪い、取留めのない事だと申すんです。」 「ははあ、」 と胸を引いて、僧は寛いだ状に打笑い、 「あるいはそうであろうかにも思いましたよ。では、ただ村のもの....
黒百合」より 著者:泉鏡花
途端に紫の光一点、※と響いて、早附木を摺った。洞の中は広く、滝太郎はかえって寛いで立っている。ほとんどその半身を蔽うまで、堆い草の葉|活々として冷たそうに露....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
わけでもないが、やっぱり坐っていたんだよ。」 「またどうしてだい。」 と医師は寛いだ身の動作で、掻巻の上へ足を投げて、綴糸を手で引張る。 「それがね、」 と熟....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
てくれるんです。 そこで、御飯前にちょっと顔を見せて来たいんです、が、このまま寛いで少しの間待っていて下されば結構だし、御一所に願えればなお結構、第一汽車で国....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
空けておいてくれたのだそうです。 ふっくらした紫|縮緬の坐蒲団の上に座ると急に寛いだようないい気分になって、落ついて話が出来るように思いました。薄暗い大きな応....
河明り」より 著者:岡本かの子
こちらに面白そうなことを少し話してあげて下さい」というにつれ、私も、「どうぞ」と寛いだ様子を出来るだけ示したので、女たちは、「じゃ、まず、一ぷくさせて頂いて……....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
いいところですね。草双紙の場面のよう」 「お気に入って結構です。きょうは悠っくり寛いで下さい。うちも同然の店ですから」 かの女はふと疑問が起った。 「あなた、....
食魔」より 著者:岡本かの子
の良人も一しょに来ていた。テーブルスピーチのようなこともあっさり切上がり、内輪で寛いだ会に見えた。しかし鼈四郎にとってこの夫人に対する気構えは兼々雑誌などで見て....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
敷、あすこはこの先ともずっとあなたの部屋になるところだから、どうにでも気儘にして寛いで下さい」 私はどぎまぎして良人のいうことの意味はよく酌み取れませんでした....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
でも、特にむす子に親しくして呉れている人であり、先輩というより、兄分といった程に寛いでむす子が交際っていることは、かの女によく知れていた。それ程むす子に与えられ....
仇討三態」より 著者:菊池寛
へ、年始のためだといって、出かけて行った。 家老や用人たちは、表座敷の方でうち寛いでいた。中間や小者や女中などは、台所の次の間で、年に一度の公けの自由を楽しん....
貞操問答」より 著者:菊池寛
出来たことを知らせに来た。二人は、ごく親しい連れのように、食卓に着いた。こうした寛いだ気持になったのは、初めてである。窓からは、雨に黒々と濡れている街の屋根が、....