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寛仮
「寛仮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寛仮の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
るごとき弱志反覆の俗神職らに一任せず、漸をもってその人を撰み、任じ、永久の年月を
寛仮し規定して、急がず、しかも怠たらしめず、五千円なり一万円なり、十万、二十万円....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
ましょうが、何らの源因もないのに新来の先生を愚弄《ぐろう》するような軽薄な生徒を
寛仮《かんか》しては学校の威信《いしん》に関わる事と思います。教育の精神は単に学....
「文芸委員は何をするか」より 著者:夏目漱石
ければならない。この必要条件を具備しない国家的保護と奨励とはなきに優《まさ》ると
寛仮《かんか》するよりも、むしろあるに劣る(もしそういう言葉が意味をなすならば)....
「道草」より 著者:夏目漱石
健三は正月に父の所へ礼に行かなかった。恭賀新年という端書だけを出した。父はそれを
寛仮《ゆる》さなかった。表向それを咎《とが》める事もしなかった。彼は十二、三にな....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
は林亭に往って、玄機に魚家に帰ることを勧めた。しかし魚は聴かなかった。縦令二親は
寛仮するにしても、女伴の侮を受けるに堪えないと云うのである。そこで李は兼て交って....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
堅く口外せぬと誓書を与えて止めたと見れば、大昔から日本人は古ローマ人のごとく屁を
寛仮せず、海に入り砂に埋むるまでなくとも、むしろアラビヤ人流に厳しく忌んだらしい....
「「女らしさ」とは何か」より 著者:与謝野晶子
くない」として、男女にかかわらず批難して宜しい。しかるに従来は男子に対してそれが
寛仮され、女子に対してのみ「女らしくない」という言葉を以て峻厳に批難されて来たの....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
見えた女は地上到る処の帝王の家にもあった。女の再婚は大抵やむをえない事として現に
寛仮せられ、もしくは正当の事としてその父兄が強いるほどである。殊に貞操道徳の制定....
「私娼の撲滅について」より 著者:与謝野晶子
れるものでないことを実証的に知る時は、何人も甚だ遺憾ながら娼婦の存在を或程度まで
寛仮せねばならないことに一致するのである。 そこで廃娼説は一転して存娼説となり....
「激動の中を行く」より 著者:与謝野晶子
す。舅姑の勢力が嫁に対して良人より勝っているのもこの制度のためです。男子の遊蕩を
寛仮して妻妾の併存を認容するのも、男女道徳以上に血統を重視する家族制度の特権であ....