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「寛典〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寛典の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て、計画することが図に当たり、その尽力の功労は埋められるものでもないから、非常な寛典を与えられたのであると。 瑞見に言わせると、今度江戸へ出て来て見ても、水戸....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
侯も、武田らのために朝廷と幕府とへ嘆願書を差し出し、因州、備前の二侯も、浪士らの寛典に処せらるることを奏請した。そこへ江戸から乗り込んで行ったのが田沼|玄蕃頭だ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
なるが、貧しい者は些やそとのものをとっても、大目に見られる。ムロの鴛鴦夫婦は、此寛典の中に其理想的|享楽生活を楽しんで居るのである。 午後到頭雨になった。蛙の....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
置を伏願致しますと同時に、未練な申状ではありますが、妻と愛児の身上に就き特別の御寛典を仰ぎたく懇願するところがありました。 然るにM男爵閣下には小生のかような....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
沙汰では、『定昭儀は賊徒要路の職に罷在逆謀に組し候罪不軽』とあって、まだなかなか寛典を蒙りそうな様子でない。この事が知れると我藩の温和党は俄に騒ぎ立って、この上....
緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
めた作品は悉く論外として取扱って、唯の ABSCHAETZUNG(評価)を与える寛典すら容さぬ峻厳の態度に居る人もある。そして、地方色の価値は一般から認められて....
瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
ず、死《し》一等《いっとう》を減《げん》じてこれを放免《ほうめん》したるは文明の寛典《かんてん》というべし。氏の挙動《きょどう》も政府の処分《しょぶん》も共に天....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
厳重なこの時代にあっては、実際お常がこの事件の張本人であるとしても、彼女は第一の寛典に浴すべき利益の地位に立っていた。 死罪は老中に伺いを立てなければならない....
無月物語」より 著者:久生十蘭
べき郡盗を捕まえ、使庁へわたさずに勝手に斬ってしまった。これは時政の英断なので、寛典《かんてん》に流れた格律に目ざましをくれたつもりだったが、朝廷ではむやみに激....