寛恕[語句情報] »
寛恕
「寛恕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寛恕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
その時、内田の奥さんに内田の悪口をいって、ペテロとキリストとの間に取りかわされた
寛恕《かんじょ》に対する問答を例に引いた。いゝえ、それはきょうした事だった。きょ....
「虚構の春」より 著者:太宰治
馴れの者ゆえ、失礼の段多かるべしと存じられ候《そうろう》が、只管《ひたすら》御|
寛恕《かんじょ》御承引のほどお願い申上げます。師走九日。『大阪サロン』編輯部、高....
「新生」より 著者:島崎藤村
多年の親しい交りを絶って、そして国を出て来たというこの男の憤りと恨みとはいかなる
寛恕《かんじょ》の言葉をも聞入れまいとするようなところがあった。湯沸の湯が煮立っ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る。そして何故に現在の宗教がその権威を失墜してしまったか。昔は一国の帝王が法王の
寛恕を請うために、乞食の如くその膝下に伏拝した。又或る仏僧は皇帝の愚昧なる一言を....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ヘは占星術の反対者に対して最期まで闘った。『これらの人々、特に神学者や哲学者らを
寛恕すべき点があるとすれば、それは彼らがこの術(占星)について絶対に無知識である....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
毒性のそこひが出るのだと聴いていたのが、今さら思い出されて、僕はぞッとした。 「
寛恕して頂戴よ」と、僕の胸に身を投げて来た吉弥をつき払い、僕はつッ立ちあがり、「....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、規則の何たるをわきまえない無知と魯鈍とから、村民自ら犯したことであって、さらに
寛恕すべきでないとされたであろう。 それにつけても、まだ半蔵には忘れることので....
「惜別」より 著者:太宰治
を軽んじてはいません。その思想の根本は、或いは仁と言い、或いは中庸と言い、或いは
寛恕と言い、さまざまの説もありますが、僕は、礼だと思う。礼の思想は、微妙なもので....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
行本として出版するんだから、まあ、五、六枚のところは、笑許、なんて言葉はない、御
寛恕を乞う次第だ。どうせ映画の予告篇、結果に於いては、宣伝みたいな事になってしま....
「破片」より 著者:寺田寅彦
や、義理の拘束から逃走する芸術家を営巣繁殖期に入った鳥の類だと思って、いくぶんの
寛恕をもってこれに臨むということもできるかもしれない。 九 東京....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
でもいうのだろう」 次の朝、わたしはきのう午後における自分の常軌を逸した行為を
寛恕してくれるようにと、キッティのところへ謝罪の手紙を送った。しかも私の女神はま....
「光は影を」より 著者:岸田国士
できず、三十三歳にしていまだ家をなさぬ男の、殺風景な身辺をみせたにすぎなかつた。
寛恕を乞う。早速ながら折入つて君に頼みたいのだが、小生の姪にあたる娘が、高等学校....
「女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
め、小倉の女流達の為め、何の理屈もなく味い感じ、学ぶ心持ちに他ならぬ。其点大方の
寛恕を乞い私の味読のしかたに誤あらばドシドシ御教示仰ぎたい。 独楽もつて子等上が....
「接吻」より 著者:神西清
せですと歓迎の意を表したが、それに附け加えて言うには、この際おり入って将校諸君の
寛恕を願いたいことは、せっかくお招きはしたものの悠りと御一泊が願えないことである....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
弁解するの具に供しようとすることは、真に恥ず可きの至りであるが、この際暫く読者の
寛恕を得て筆を進めたい。 案内者助七の話では、平の小屋まで一週間あれば行けると....