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「寛衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寛衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
にさえも慈悲をかけられているような、天にも地にも一枚看板の、木綿《めん》まじりの寛衣《へやぎ》にくるまって過すことにした。正直なところ、こうした切りつめた生活に....
」より 著者:宮本百合子
しない金色の輝の環の中で、彼の黒い、精神の燃えたかまった二つの眼、清い唇、純白の寛衣と黒い捲毛とは、この世のものでなく見えた。ルイザが「聖母まりーあ、ああ御母ま....
古き小画」より 著者:宮本百合子
屈な階段を昇り切ったシャラフシャーの暗い眼にぱっと漲る日光とともに、彼の薄茶色の寛衣を纏った肩つきが、くっきり、遠景の大空を画《くぎ》って写った。 シャラフシ....
道標」より 著者:宮本百合子
を、濃い新緑につよいコントラストで異国的な情緒を漂わせながら、アラビア人が純白の寛衣のかげから黒檀の皮膚を輝やかせて歩いて行った。柔かなココア色のソフトを粋にか....
地は饒なり」より 著者:宮本百合子
或るときは杉の古木となり、或るときは小川となり、目に見えぬ綾の紅糸で、露にきせる寛衣を織る自由さえ持っていた自分は、今こうやって、悲しく辛い思いを独りでがまんし....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
長身が現われた。僧正服《そうじょうふく》とアラビア人の服とをごっちゃにしたような寛衣《かんい》をひっかけ、頭部には白いきれをすっぽりかぶり、粛々《しゅくしゅく》....
反逆」より 著者:矢田津世子
あります。神様に対してやましい心をもっていないからこそ踊りも踊れたのです。……」寛衣の間へ手を入れてハンカチを取り出すと、牧師はそれを指の先に巻いて、器様に鼻の....
働くために」より 著者:宮本百合子
での普通の習慣である。そして、夜もうお客もないくつろぎの時間には、ゆったりとした寛衣にかえて、床に入る迄の休息を楽しむ。男のひとたちにしろ、その時刻には窮屈な上....
C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
愛用して、誤解した神聖さで、人間を殺そうと致します。 薔薇液を身に浴び、華奢な寛衣《ネグリジェー》をまとい、寝起きの珈琲を啜りながら、跪拝するバガボンドに流眄....
或る日」より 著者:宮本百合子
もののその西洋人形は、両方とも眼がとれていた。亜麻色の濃い髪を垂れ、赤い羽二重の寛衣《シャツ》をつけた人形は、わざとらしい桃色の唇に永劫変らない微笑を泛べ、両手....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
ので、今日の遠足にも、ちゃんと牛の皮の深靴を履《は》いて来ていた。彼はリンネルの寛衣《ブラウス》を着て、羅紗《ラシャ》の帽子をかぶり、緑色の眼鏡をかけていたが、....
七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
昔のままの家屋と風俗で、多少穢くはあるが、見た目には絵画的だ。男は白か竪縞の長い寛衣の裾を引きずり、頭に※布《ターバン》を捲き立てている。ターバンは七捲がきまり....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
さの市井雑爼は今日もまた寝巻的散歩服《ジュップ・ピジャマ》の令嬢にあらざれば袖無寛衣《ブルウズ・サン・マンシュ》の夫人《おくさん》、老いたるも若きも珍型異装を誇....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
、河童《かっぱ》の川知らず、山案内《ギイド》の身知らず。ブルタアニュの漁師の着る寛衣《ブルウジ》にゴム靴という、はなはだ簡便な装《いでたち》をした吃《どもり》の....