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寝ぬ
「寝ぬ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝ぬの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「卵」より 著者:夢野久作
楽しみになって来ました。そうして夜が明けるとすぐに夜具を押し入れに入れて、自分の
寝ぬくもりの籠《こ》もった敷布団の間にソット入れてやるのでした。こうして独身のま....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ろぼう》です、溜息を吐いたり壁を撫でたりするのは貴方を威《おど》かして、此の室で
寝ぬ様にさせ、爾して又|緩々《ゆるゆる》と来る積りです、血の落ちて居たのは必ず其....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
え映るばかりに見えたので、 「おお、寒い。」 頸から寒くなって起きて出た。が、
寝ぬくもりの冷めないうち、早く厠へと思う急心に、向う見ずに扉を押した。 押して....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
怪まるるか。うむ、疑いに※いたその瞳も、直ちに瞬く。 およそ天下に、夜を一目も
寝ぬはあっても、瞬をせぬ人間は決してあるまい。悪左衛門をはじめ夥間一統、すなわち....
「源氏物語」より 著者:紫式部
自分だけが別物にされた寂しさを覚えて、じっとみじろぎもせずに寝ていた。 とけて
寝ぬ寝|覚《ざ》めさびしき冬の夜に結ぼほれつる夢のみじかさ 源氏の歌である。....
「源氏物語」より 著者:紫式部
歌詞を聞きましたか。ひどい人だ。『河口の』(河口の関のあら垣や守れどもいでてわが
寝ぬや忍び忍びに)と私は返しに謡いたかった」 女はあらわな言葉に羞恥を感じて、....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
というので、民謡風のものだが、そう簡単に片付けてしまわれぬものがある。「霜の上に
寝ぬ」は民謡的に誇張があり文学的ないい方である。けれどもそれをただの誇張として素....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
したことがある。その時の話に、彼は殺されるのが当然で、まさにその肉を食いその皮に
寝ぬべしと言った。当時わたしはまだ小さかったが、しばらくの間胸がドキドキしていた....
「多神教」より 著者:泉鏡花
惜い。前刻から幾度か、舌を噛んで、舌を噛んで死のうと思っても、三日、五日、一目も
寝ぬせいか、一枚も欠けない歯が皆|弛んで、噛切るやくに立ちません。舌も縮んで唇を....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
楽を己《おの》がもののごとく嬉《うれ》しがり、夜|深《ふ》けぬ間に還《かえ》りて
寝ぬ、されば彼は同年らに臆病者《おくびょうもの》と呼ばれ、少女情人らの噂にも働き....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
て来てと言ったっけが――おっと、禁句か。いやさ話がよ、チチチンと、あれ寝たと言う
寝ぬと言う、とまあ言ったわけで、あーっ、俺は恋しいや、深川はやぐら下。へん、兄き....
「妖怪学」より 著者:井上円了
土瓶の尻の方は、口のつき出るなくして丸きよりきたりし連想ならん。人の北を枕として
寝ぬるを嫌うは、死人を常に北に向けて枕せしむると、北方は陰にして死をつかさどると....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
のエトナ山の観念を、足に熱を覚えたるによりて提起する原因は、これエトナ山の地も、
寝ぬるとき足に感じたるごとき熱度にて、実際必ずその足に感ずべきところなるをもって....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
てといってたっけが、――おっと、禁句か。いやさ話がよ、チチチンと、あれ寝たという
寝ぬという、とまあいった訳で、あーっ、俺は恋しいや、深川はやぐら下。へん、兄きあ....