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「寝不足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寝不足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
て安倍川が流れている。轍《わだち》に踏まれて躍る橋板の上を曳かれて行くと、夜行で寝不足の瞼《まぶた》が涼しく拭われる気持がする。 町ともつかず村ともつかない鄙....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
つくる方法を思案した。が、いつかうとうとと居眠りをした。わいはいま寝てる。昨夜の寝不足がたたって、えらい疲れて歯軋りして寝てる、そんなことを夢うつつに意識しなが....
深夜の市長」より 著者:海野十三
に銜えて、洗面所へ駆けつけた。鏡に写った僕の顔は、一夜のうちに頬がゲッソリ痩け、寝不足の眼は真赤に充血していた。 「じゃ行ってくるよ。……まあ、帰って来てから、....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
一|言一|句に聞き入っていた。 「事態は、想像以上に容易ならんのです」と大臣は、寝不足らしい血走った眼を大きく見開いて云った。「彼等国際殺人団の一味徒党というの....
赤外線男」より 著者:海野十三
ムへ入って来た。運転台の硝子窓の中には、まだ昨夜の夢の醒めきらぬらしい、運転手の寝不足の顔があった。 「呀ッ!!」 運転手は弾かれたように、座席から立ちあがっ....
蠅男」より 著者:海野十三
をみると、あれはわざと逆の言葉を使って、皮肉を飛ばしたつもりなのかしら」 彼は寝不足の充血した目をこすりながら、起きあがった。そして丹前を羽織ると、縁側に出て....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
行けと云う。氏の部屋の浅縁に腰かける。藤棚の藤が莢になって朝風にゆらめくのを少し寝不足の眼で私がうっとりと眺めて入って居ると麻川氏は私のずっと後の薄暗い床脇に蹲....
春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
、雪の山の不可抗な吸引力は、ジットしていられないほど強くなった。しかし夜行できた寝不足の身体は、今日山に入ることを拒んでいる。はやる心を抑えつつ穂高駅に下車した....
明日」より 著者:井上紅梅
抱いてやろうか」 藍皮阿五の声によく似ていた。ふりかえってみると、果して藍皮が寝不足の眼を擦りながら後ろから跟いて来た。こういう時に天将の一人が降臨して一|臂....
光は影を」より 著者:岸田国士
ゝのえて、なにごともなかつたように、旺盛な食欲を示していた。 多津が、いくぶん寝不足らしい眼を、ときどき妹の方に向けて、洋服地の値段の話などしかけるのを、真喜....
夜の構図」より 著者:織田作之助
みごとな登場人物! 「やられた!」 と、呟きながら、しかし、信吉は、伊都子が寝不足の眼で、九州までの長距離を汽車に揺られている姿を、想った。伊都子は昨夜信吉....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
かに教えてやるのである。 「金魚は冬の間は眠っているのやよって、目をさまさせては寝不足して死ぬよって……」 子供の松篁には水の中で寝るという金魚のことが判らな....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
」と平気な顔をして、明け方トロトロと眠ると直ぐ眼を覚まして、定刻に出勤して少しも寝不足な容子を見せなかったそうだ。 鴎外は甘藷と筍が好物だったそうだ。肉食家と....
一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
ら得をしたような気持になってすっかり気をよくした三人は、昨夜の不愉快な蚊の事や、寝不足も忘れて、上部の雪渓を調子よく登って行った。雪渓の傾斜は段々増し、その最上....
」より 著者:カフカフランツ
だれがだい?」と、Kはいい、振り返った。スタンドの上には、彼の二人の助手が、少し寝不足で疲れてはいるがはればれした面持で坐っていた。義務を忠実に果たしたことが生....