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寝坊
「寝坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
と、早速泰さんへ電話をかけました。「莫迦《ばか》に、早いじゃないか。僕のような朝
寝坊の所へ、今時分電話をかけるのは残酷《ざんこく》だよ。」――泰さんは実際まだ眠....
「或る女」より 著者:有島武郎
厳重な調子で、
「あなたはあすからわたしの代わりをしないじゃならないんですよ。朝
寝坊なんぞしていてどうするの。あなたがぐずぐずしていると貞ちゃんがかわいそうです....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
は色気のない大息ついて、 「何にしろ、ああ腹が空いたぜ。」 「そうでしょうッて、
寝坊をするから、まだ朝御飯を食らないもの。」 「違えねえ、確にアリャ、」 と、....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
それもやがて疲労の夢が押し包む。 今岩内の町に目ざめているものは、おそらく朝
寝坊のできる富んだ惰け者と、灯台守りと犬ぐらいのものだろう。夜は寒くさびしくふけ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
次郎|直実というのを熊谷の太郎と言うて笑われたんだ――あ、あれがうちの芸著です、
寝坊の親玉」 と、そとを指さしたので、僕もその方に向いた。いちじくの葉かげから....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
いるギターが徐々に傾いてやがて一大音響とともに板の間に転落する。そうするといかに
寝坊の僕でも必ず眼を覚すにちがいがない。これで僕は今夜、枕を高うして睡られると悦....
「蠅男」より 著者:海野十三
犬の四肢が梯子のようにスルスルと伸び、猛犬の背がビルディングの五階に届く。そして
寝坊のお内儀らしい女が、窓を明ける拍子に猛犬は女を押したおしてそこから窓の中へ飛....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
て来た姿のいい紳士があった。 「やあお呼び下っていたのに、とんだ失礼を。すっかり
寝坊をしてしまって、何から何まで申訳ないことばかり……僕が亀之介です。小林にはど....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
部屋はどこであるか。只今金博士が推参いたしましたぞ」 とうとう王水険大先生が朝
寝坊の居間が、金博士|自らの捜索によって発見せられた。 「やややや、お前は金か。....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
ざめになりませんので……」 「まだ目がおさめにならぬ。はて、年寄のくせにずいぶん
寝坊でいらっしゃるな」 「はい。今までこんなことはなかったのでございますが、ふし....
「○○獣」より 著者:海野十三
消えてゆく。そのうちにガラガラと音がして、ぶったおれた。 「ややッ、これは……」
寝坊の宿直が、やっと目をさまして、とびだしてきた。彼はあまりのことに、まだ夢でも....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
を百八十度転じて、夜明までに元の位置にかえることになっていた。 おそらく近海の
寝坊の漁夫は、試運転からかえって前夜と同じ場所にやすんでいる飛行島を見て、それが....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の宣徳炉が見当らないのが不思議だ。 阿Qはあとでこの事を聞いてすこぶる自分の朝
寝坊を悔んだ。それにしても彼等が阿Qを誘わなかったのは奇ッ怪千万である。阿Qは一....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
しなるべし。僕は恒藤の親友なりしかど、到底彼の如くに几帳面なる事能わず、人並みに
寝坊をし、人並みに夜更かしをし、凡庸に日を送るを常としたり。 恒藤は又秀才なり....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
頃に尋ねると、今起きたばかりだといって眠そうな顔をしていた。なんぼ日曜日でも少と
寝坊が過ぎるというと、「昨宵は猫のお産で到底寝られなかった、」といった。段々訊く....