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寝姿
「寝姿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝姿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
でさえためらうような、ひどい人殺しも、平気でする。時々、自分は、あの女のみだらな
寝姿をながめながら、どうして、自分がこんな女に、ひかされるのだろうと思ったりした....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の疲れに前後を忘れた摩利信乃法師《まりしのほうし》でございましょう。それからその
寝姿を半蔽《なかばおお》っている、着物らしいものが見えましたが、これは芥火に反《....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
だった。父は鼾《いび》きをかかなかったかしら、――慎太郎は時々眼を明いては、父の
寝姿を透《す》かして見ながら、そんな事さえ不審に思いなぞした。
しかし彼の※《....
「或る女」より 著者:有島武郎
った。けばけばしい電燈の光はその翌日の朝までこのなまめかしくもふしだらな葉子の丸
寝姿《まるねすがた》を画《か》いたように照らしていた。
一四
なんといって....
「富士」より 著者:岡本かの子
平野に雲の海があるとき、霞棚引けるとき、それ等を敷莚《しきむしろ》にして、幽婉な
寝姿が影となって望まれる。それは息もないようなしずかな
寝姿であり、見る目|憚《は....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
裳らしいものを大椅子の上にそっくり置くと、忍び足に寝台に近よってしげしげと二人の
寝姿を見守った。そして夜着をかけ添えて軽く二つ三つその上をたたいてから静かに部屋....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
た。 「おお」 提督はぎくりとした。 舷側を洗う白い飛沫の上に、一人の少女の
寝姿があった。梨花だ。中国少女の梨花だ。鋼鉄の宮殿の中を、栗鼠のようにちょこちょ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
も希有な通りものでござりまして、あの蛍がまたむらむらと、蠅がなぶるように御病人の
寝姿に集りますと、おなじ煩うても、美しい人の心かして、夢中で、こう小児のように、....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
返して、斜に低う夜着の綴糸も震うばかり、何も知らないですやすやと寐ている、お雪の
寝姿の周囲をば、ぐるり、ぐるり、ぐるりと三度。縫って廻られるたびに、ううむ、うう....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
で暗いから、他の一人はそこへと見|遣るに、誰も無し、月を肩なる、山の裾、蘆を※の
寝姿のみ。 「賢、」 と呼んだ、我ながら雉子のように聞えたので、呟して、もう一....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
も、明石に居ても、姫御前は目をまわそう。 三造は心着いて、夕露の玉を鏤めた女の
寝姿に引返した。 「鬼じゃ。」 試みに山伏の言を繰返して、まさしく、怯かされた....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
のは、朝も余程|長けた頃だった。寝台の女はまだ前後不覚に寝こけて居る。その荒んだ
寝姿を見るにつけ、彼にはイベットの白磁のように冷い魅力が懐かしまれる。もしイベッ....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
する。 牙の六つある大白象の背に騎して、兜率天よりして雲を下って、白衣の夫人の
寝姿の夢まくらに立たせたまう一枚のと、一面やや大なる額に、かの藍毘尼園中、池に青....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
をついて、白髪天頭を左右に振ったが、突然水中へ手を入れると、朦朧として白く、人の
寝姿に水の懸ったのが、一|揺静に揺れて、落着いて二三尺離れて流れる、途端に思うさ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
です。 暗夜だか、月夜だか、覚えていません。が、松の樹はすやすやと息を立てて、
寝姿かと思う静さで、何だか、足音を立てるのも気の毒らしい。三度ばかり、こんもりと....