寝床[語句情報] »
寝床
「寝床〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝床の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
、静に椅子から立上ると、
「御婆サン。御婆サン。今夜ハ御客様ガ御泊リニナルカラ、
寝床ノ仕度ヲシテ置イテオクレ。」
私は胸を躍らしながら、葉巻の灰をはたくのも忘....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
鍵の手になった座敷の硝子戸《ガラスど》の音らしかった。僕は新年号の仕事中、書斎に
寝床をとらせていた。三軒の雑誌社に約束した仕事は三篇とも僕には不満足だった。しか....
「女体」より 著者:芥川竜之介
になって、とりとめのない妄想《もうぞう》に耽っていると、ふと一匹の虱《しらみ》が
寝床の縁《ふち》を這っているのに気がついた。部屋の中にともした、うす暗い灯《ひ》....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
いた。……
翌日彼は眼をさますと、洞穴《ほらあな》の奥にしつらえた、絹や毛皮の
寝床の中に、たった一人横になっていた。
寝床には菅畳《すがだたみ》を延べる代りに、....
「或る女」より 著者:有島武郎
うと葉子は悒鬱《ゆううつ》が生み出す反抗的な気分になって、湯をわかさせて入浴し、
寝床をしかせ、最上等の三鞭酒《シャンペン》を取りよせて、したたかそれを飲むと前後....
「或る女」より 著者:有島武郎
欄《てすり》を離れた。部屋には小ざっぱりと身じたくをした女中《じょちゅう》が来て
寝床をあげていた。一|間《けん》半の大床《おおとこ》の間《ま》に飾られた大|花活....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
で来るといって出かけて行ったるすに、ぼくは妹たちに手伝ってもらって、藁《わら》で
寝床《ねどこ》を作ってやった。そしてタオルでポチのからだをすっかりふいてやった。....
「星座」より 著者:有島武郎
、二十二になったばかりだと思えないくらい落ちつきの備わった園の小さな姿が、清逸の
寝床近くきちんと坐ったらしかった。
清逸は園が側近く来たのを知ると、なぜともな....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
して、大急ぎで、碁石を白も黒もかまわず入れ物にしまってしまった。 八っちゃんは
寝床の上にねかされた。どこも痛くはないと見えて、泣くのをよそうとしては、また急に....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
かな太い声でおとなしく言い現わそうとしていた。 私どもが一時過ぎまで語り合って
寝床にはいって後も、吹きまく吹雪は露ほども力をゆるめなかった。君は君で、私は私で....
「親子」より 著者:有島武郎
は自分も眠るまいと心に定めていた。 二時を過ぎて三時に近いと思われるころ、父の
寝床のほうからかすかな鼾が漏れ始めた。彼はそれを聞きすましてそっと厠に立った。縁....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
別れだった。彼女の眼にはアグネスの寝顔が吸付くように可憐に映った。クララは静かに
寝床に近よって、自分の臥ていた跡に堂母から持帰った月桂樹の枝を敷いて、その上に聖....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
具類も烟のように消えて了いました。私はその瞬間から現在に至るまで、ただの一|度も
寝床の上に臥たいと思った覚えはございませぬ。 それから私は神様に導かれて、あち....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
よ」 「兄さんは僕などよりも強いのだけれども、――」 無精髭を伸ばした妻の弟も
寝床の上に起き直ったまま、いつもの通り遠慮勝ちに僕等の話に加わり出した。 「強い....
「狂女」より 著者:秋田滋
かるような剣幕で、彼はこう訊いた。 「奥さん。面談したいことがあるから、起きて、
寝床から出てもらえないかね」 すると彼女はその焦点のない、うつろな眼を将校のほ....