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寝椅子
「寝椅子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝椅子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
」 三 堯《たかし》は掃除をすました部屋の窓を明け放ち、籐《とう》の
寝椅子に休んでいた。と、ジュッジュッという啼き声がしてかなむぐらの垣の蔭に笹鳴《....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
なんでもするよ」 僕は忠実なる同志の方に振り向こうともせず、無言の儘《まま》、
寝椅子の上に腰を下した。五分か、十分か、それとも一時間か、時間は意識の歯車の上を....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
常に目立つ一つのものは、ちょっと見ては何処の国の型かも判らない大型で彫刻のこんだ
寝椅子が室の一隅に長々と横はり、その傍の壁を切ったような通路から稍々薄暗い畳敷き....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
れを取り巻いて二脚の牀几と、深張りの一脚の肘掛椅子と、そうしてこれも深張りの長い
寝椅子とが置いてあったが、肘掛椅子と
寝椅子とに、打ちかけられた豹の皮は、日本産と....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
にしようと、闇屋《やみや》の旦那はこのところ聊《いささ》か過労の体《てい》にて、
寝椅子の上へ身体をのせた。 「旦那さま。もうここの戸締《とじま》りをいたしてよろ....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
分ります」 どすーンと音がして、空から庭のまん中に落ちてきたのは、藤《とう》の
寝椅子だった。と思うまもなく、こんどはその上へ人間が降ってきて、どすン。 「ああ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
だ。これじゃあ思うように活動ができやしない。ああ、苦しい」 X号は腹を立てて、
寝椅子《ねいす》の上にころがり、ふうふうぶつぶついうのだった。 博士は、隅《す....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
機会を待っているうちに新吉は思いがけなく遊び女のリサと逢って仕舞った。 新吉は
寝椅子の上でおみちのあのおさな顔が其のまゝでちらほら白髪が額にほつれて来た。此の....
「小公女」より 著者:菊池寛
生そっくりだ、と思ったことがあったわ。大屋敷にはきっと、むくむくした肱掛椅子や、
寝椅子があるに違いないわ。あの紅い壁紙の色だって、大屋敷の人達のように温かで、親....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
ここは建物の内部である。 「さあご返辞なさりませ」 こういったのは女である。
寝椅子の上に腹這っている。両肘で顎をささえている。乳のように白い肘である。ムッチ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
き、異様った部屋のあることを、ここへ来るほどの人間は、決して決して見落とすまい。
寝椅子、垂幕、酒を載せた棚、そうして支那風の化粧をし、又支那風に扮装った幾人かの....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
く茫然と眼を見開き、――白昼に夢を見ているような、特殊な顔を窓の方へ向け、彼女が
寝椅子に腰かけていた。 私は書斎へ入って行った。彼女の横へ腰を掛けた。しばらく....
「光は影を」より 著者:岸田国士
、ずいぶん歩かしたからなあ。さあ、ベッドには蒲団さえのせればいゝんだ。それとも、
寝椅子の上へ横になるかい?」 「どつちでもいゝわ。でも、もう少し、外を見てたいか....
「城」より 著者:カフカフランツ
だった。狭いほうの壁のところに立ち机と鉄の金庫とがあり、広いほうの壁にはたんすと
寝椅子とがあった。大部分の場所をとっているのはたんすだ。広いほうの壁をいっぱいに....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
けないと思って、須藤さんに電話をかけておいて、すぐかけつけた。大変な苦痛で、籐の
寝椅子にもたれて、それでもまだ煙草をもっている。呼吸をみていると吐くばかりで吸う....