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「寝物語〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寝物語の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
え渡って冷えは強いが、冷えればまた冷えたで相合いこたつのさし向かい、忍びの夢路の寝物語。はだのぬくみを追って急ぐ男と女の影が、影絵のように路地から路地をぬって歩....
旧主人」より 著者:島崎藤村
から、「御奉公は奥様の御|機嫌《きげん》を取るのが第一だ」まで、縷々《さんざん》寝物語に聞かされました。忘れもしない。母親に連れられて家《うち》を出たのは三月の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
うこともなかなか尽きない。半蔵は江戸の旅を、景蔵らは京都の方の話まで持ち出して、寝物語に時のたつのも忘れているうちに、やがて一番|鶏が鳴いた。 二....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て打ちかえしながめたりするお民と一緒になって見ると、長く別れていたあとの尽きない寝物語はよけいに彼のからだから疲れを引き出すようなものであった。彼は久しぶりに訪....
」より 著者:島崎藤村
の魂胆を――彼女が考え得るかぎり――事細かに嫁の豊世に伝えようと思った。夏の夜の寝物語に、お種は姑として言えないようなことまで豊世に語り聞かせた。こんな風にして....
」より 著者:島崎藤村
に柔かな芽を吹いていた。それを見ると、幾年か前の春が彼女の胸に浮んだ。橋本の姑が寝物語に、男の機嫌の取りようなぞを聞かされて、それにまた初心らしく耳傾けたことは....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の家安泰無事長久の有様ではあったが、若大将ひとり怏々として楽しまず、女房の毎夜の寝物語は味噌漬がどうしたの塩鮭の骨がどうしたのと呆れるほど興覚めな事だけで、せっ....
春昼」より 著者:泉鏡花
ぬ。客人は、その朦朧とした頂に立って、境は接しても、美濃近江、人情も風俗も皆違う寝物語の里の祭礼を、此処で見るかと思われた、と申します。 その上、宵宮にしては....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
擡げて、屋台骨は地の上に獣のごとく這ったのさえある。 吉野、高橋、清川、槙葉。寝物語や、美濃、近江。ここにあわれを留めたのは屋号にされた遊女達。……ちょっと柳....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
から彼所へ行って炉の傍に己が寝て居るから知れねえように中へ這入れ、左様すれば篤り寝物語にしてやろうと漸々欺して私は一足先へ来たが、もう今に彼奴め来るに違えねえ、....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、」 「手前は柏屋でございます。」 と急いで出て行く。 これからお雪、良助、寝物語という、物凄い事に相成りまする。 七 「これは旦那様。」 ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、その三人をそっくり時計館へ移り住ませた。 ところが、ある晩のことである。ふと寝物語りに、 「私にはお母さんがいるんですけど……」 と、別にさしたる理由もな....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
花よと私は育てられた。 私の物語的なヴィジョンの世界でひろがったのはこの祖母の寝物語からだ。祖母の話はきまっていた。 尾道の千光寺には珠の巖と言って、ダイア....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
てろよ、身を立て道を行い、名を後世に揚げて父母を顕わすくらいのことは、八歳のおり寝物語に度々申聞けてあるではないか、手前も侍の忰、いやなに仮令百姓の子でも其の位....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
近づいてくる。幼い私は、その声をきくと恐さに祖母の膝へしがみついた。そして祖母の寝物語に、カチカチ山の爺さんが狸婆さんに狸汁だと騙されて婆汁を食ったというお伽噺....