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寝転ぶ
「寝転ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝転ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
《ガラス》窓から、工房の中が見えるのを、なるべく眼を外らして、縁側に出て仰向けに
寝転ぶ。夏近くなって庭の古木は青葉を一せいにつけ、池を埋めた渚《なぎさ》の残り石....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
寝転《ねころ》んでるのか」 「気息を殺さなくってもいいわ」 「じゃ気息を活かして
寝転ぶか」 「
寝転ぶのはもう好い加減になさいよ。そんなに行儀がわるいから外交官の....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
をかけるだけの高さに仕切って、そこに若い女が三人いた。三人共腰をかけるでもなく、
寝転ぶでもなく、互に靠《もた》れ合って身体《からだ》を支えるごとくに、後の壁をい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
かして頂戴な。」 「いいえ、まあ、貴女がお読みなさいまし。」 「拝見な。」 と
寝転ぶようにして、頬杖ついて、畳の上で読むのを見ながら、抜きかけた、仏壇の抽斗を....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
」 省作は出してもらった着物を引っ掛け、兵児帯のぐるぐる巻きで、そこへそのまま
寝転ぶ。母は省作の脱いだやつを衣紋竹にかける。 「おッ母さん、茶でも入れべい。と....
「安重根」より 著者:谷譲次
もんか。 李剛 (不思議そうに)君は何を苦しんでいるのかね。 安重根 (仰向けに
寝転ぶ)人間なんて滑稽なもんですねえ。以前は私なんかに洟も引っかけなかった連中ま....
「地図にない街」より 著者:橋本五郎
ぎたなくそこにごろ寝をしているのだった。 「静かにするんだ。そしてほら、あの間へ
寝転ぶといい。腹が空いているだろうが、また明日のことだ。寒けりゃこれをかぶって寝....
「提灯」より 著者:田中貢太郎
出た時には皆が疲れて、 「もう、此処で寝ようじゃないか」 と、云って土手の上に
寝転ぶ者もあったくらいです。石の冷たい河原で寝ることは好いとしてちょっと休んでい....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
に晴れ渡っている。視力がはっきりしている。 珍らしく郊外に出てみる。櫟林に
寝転ぶ。涼しい風が何処ともなく流れてきて、枯葉がひらひらと舞い落ちる。淋しい梢の....
「湯元の秋」より 著者:豊島与志雄
道がその野中に歩み入ると、高い雑草が私の足を呑み込んでしまう。草を藉いて仰向に
寝転ぶと、直接に私の上に空がある、高原で見らるるすぐ手に取らるるような低い空が、....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
子の枕布に、赤い絹糸の総が垂らしてある。それに白麻の覆いをして貰い、私は仰向きに
寝転ぶのだ。少し高めだが、頸筋に空気の通りがよく、後頭部だけが気持よく緊圧される....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
両氏なりしが、壮士連の中には、三々五々|赤毛布《あかげっと》にくるまりつつ船中に
寝転ぶ者あるを見たりき。同伴者は皆互いに見知らぬ風《ふう》を装《よそお》えるなり....
「妖婦」より 著者:織田作之助
があると、キンキンした疳高い声で泣き、しまいには外行きの着物のまま泥んこの道端へ
寝転ぶのだった。欲しいと思ったものは誰が何と言おうと、手に入れなければ承知せず、....
「夏の町」より 著者:永井荷風
おやどうするんだっけ。二から這入るんだッけね。」と訊《き》く。 坐るかと思うと
寝転ぶ。
寝転ぶかと思うと立つ。其処には舟底枕《ふなぞこまくら》がひっくり返ってい....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
コウジョウ、称唯をイショウ、新たしいをアタラシイ、身体をカダラ、茶釜をチャマガ、
寝転ぶをネロコブという類みなこれである。釣瓶をツブレ、蕪をカルバ、汐平をヒオシと....