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寝返り
「寝返り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝返りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ととい》よりも、ずっと熱が低くなっていた。口を利《き》くのもはきはきしていれば、
寝返りをするのも楽そうだった。「お肚《なか》はまだ痛むけれど、気分は大へん好くな....
「或る女」より 著者:有島武郎
て行った。倉地が眠りの中でそれを感じたらしく、うるさそうにうめき声を小さく立てて
寝返りを打った。葉子はぎょっとして息気《いき》をつめた。
しかしすぐすすり泣き....
「外科室」より 著者:泉鏡花
謂う」 「もう、御免くださいまし」 投げ棄つるがごとくかく謂いつつ、伯爵夫人は
寝返りして、横に背《そむ》かんとしたりしが、病める身のままならで、歯を鳴らす音聞....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
んだらしかったが、また……有りもしない風を伝って、引返して、今度は軽く胸に乗る。
寝返りを打てば、袖の煽にふっと払われて、やがて次の間と隔ての、襖の際に籠った気勢....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
毒になり、そのむくろには今どんな夢が宿っているだろうなどと、寝苦しいままに幾度も
寝返りをするうちに、よいに聴いた戦話がありありと暗やみに見える様になった。 然....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
い蒲団の中でゴロ寝の窮屈さと、子供を寒くないように窮屈でないように眠らすために、
寝返りをすることもできず、体が半分痺れたような痛さを我慢して、どうして一人ででも....
「女客」より 著者:泉鏡花
のに、夜中一時二時までも、友達の許へ、苦い時の相談の手紙なんか書きながら、わきで
寝返りなさるから、阿母さん、蚊が居ますかって聞くんです。 自分の手にゃ五ツ六ツ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
立てて、烏羽玉の黒髪に、ひらひらと篝火のひらめくなりで、右にもなれば左にもなる、
寝返りもするのでございます。 ――こうして可愛がって下さいますなら、私ゃ死んで....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
娘だから、出て行くことが出来ぬと謂えば、ナニ出て行くには及ばんから、床ずれがして
寝返りも出来ない、この吾を、芳之助と二人で負って行って、姨捨山へ捨てるんだ。さ、....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
か、一時はそのままになるかと思った。起きるには起きられず、遁げるには遁げられず、
寝返りさえ容易じゃない、実際息が留まりそうだったものね。」 咽喉を斜に手を入れ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
も、幽霊に元気をつけるものがなにもないのだ。幽霊が墓にはいって、先ず一眠りして、
寝返りをうつか、うたないうちに、まだ生存している友だちは近所を去っていってしまう....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
いらっしゃるの。 どんなにか心細いでしょう。寝たっきりで、先月の二十日時分から
寝返りさえ容易じゃなくッて、片寝でねえ。耳にまで床ずれがしてますもの。夜が永いの....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の忘られぬ、あこがるるばかり贔屓の俳優、尾上橘之助が、白菊の辞世を読んだ時まで、
寝返りもままならぬ、病の床に肌につけた記念なのである。 江崎のお縫は芳原の新造....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
た。お夏は柔かに曲げていた足を伸ばして、片手を白く、天鵝絨の襟を引き寄せて、軽く
寝返りざまに、やや仰向になったが――目が覚めてそうしたものではなかった。 愛吉....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
別に、さあ、一目。)という形で、括り枕の上へ、こう鉄漿の口を開けて持出すと、もう
寝返りも出来ないで、壁の方に片寝でいたお母さんがね、麻の顱巻へ掛った黒髪がこぼれ....