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寝返りを打つ
「寝返りを打つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝返りを打つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たんだ。いやなものなら黙っていたらよさそうなもんだ。一旦行こうとしながら、中途で
寝返りを打つばかりか、山卯の小僧に百の銭をくれて、仕事場の丸太をなぜ倒さした。そ....
「癩」より 著者:島木健作
い蛾《が》が電燈の紐《ひも》にへばりついているのだ。何とはなしに無気味さを覚えて
寝返りを打つとたんに、ああ、またあれが来る、という予感に襲われて太田はすっかり青....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
なんか、そんなに豪《えら》いと思ってるのか」 会話はちょっと切れた。甲野さんは
寝返りを打つ。宗近君は箕坐《あぐら》のまま旅行案内をひろげる。雨は斜《なな》めに....
「行人」より 著者:夏目漱石
い窓掛の、じとじとに湿《しめ》ったのを片方へがらりと引いた。途端《とたん》に母の
寝返りを打つ音が聞こえた。
「二郎、ここはどこだい」
「名古屋です」
自分は吹....
「草枕」より 著者:夏目漱石
ば幅《はば》が利《き》かない。こんな夢では大部分画にも詩にもならんと思いながら、
寝返りを打つと、いつの間にか障子《しょうじ》に月がさして、木の枝が二三本|斜《な....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
「まあ、あなたはまだ起きてるんですか。」 お民が夜中に目をさまして、夫のそばで
寝返りを打つころになっても、まだ彼は寝床の上にすわっていた――枕もとに置いてある....
「安重根」より 著者:谷譲次
んだ寝台に、安重根と禹徳淳が寝ている。禹徳淳は鼾を立てて熟睡し、安重根はしきりに
寝返りを打つ。寝台の裾に二人の衣類が脱ぎ懸けられ、安重根のベッドの下には、ウラジ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れが出たところへ、かぜをひいたものでしょう、たいしたことはありません」 兵馬は
寝返りを打つと、北原が、 「それは何かと御不自由でござろう、お待ち下さい、拙者が....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ほとんど運命的な約束をさえ見出しかけていると、彼女も眠れないとみえて、下の寝台で
寝返りを打つのが聞えた。 『どうしたい。』 『ええ。大変な浪。』 『もうビスケイ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ほとんど先天的な約束をさえ見出しかけていると、彼女も眠れないとみえて、下の寝台で
寝返りを打つのが聞えた。 『どうしたい、まだ降ってるかい?』 『え?』 『雨さ。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
な」 「やっぱり人に弄《なぶ》り殺しにされてしまいとうございます」 「なるほど」
寝返りを打つと竜之助は、枕許の刀の下緒《さげお》をずっと引き寄せました。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
その人は帰って来ましたか」 「わたしは眠っていましたが、眼をさました時に、先生が
寝返りを打つ音を聞きました。それから私は寒くなったので、窓をしめてからまた寝てし....
「光は影を」より 著者:岸田国士
「兄さん、用意ができたよ」 ハッと我れに返つて、彼は、起きあがろうとした。弟が
寝返りを打つた。幼な顔のまだありありと残つている静かな寝顔であるが、もう二十を過....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
やはり寝つかれぬらしい。 そして、どれだけ時間がたった頃だろうか、娘はいきなり
寝返りを打つと、声を掛けて来た。 「なんぜここへ来て寝ないの……?」 「えっ……....
「変身」より 著者:カフカフランツ
ッドからはぎ取るように離し、この荷物をもったまま身体をこごめ、つぎに彼が床の上で
寝返りを打つのを用心深く待っていてくれさえすればよいのだ。床の上でならおそらくこ....