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寝返る
「寝返る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝返るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
りと清《すず》しい声。
極めて低声《こごえ》で、
(お客様があるよ。)といって
寝返る音がした、更《さら》に
寝返る音がした。
戸の外のものの気勢《けはい》は動....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
すやと聞える。 「ああ」 懊悩《おうのう》した竜之助は、太い息を吐いて仰向けに
寝返ると、お絹の寝間で軽い咳《せき》がする。 「眼が覚めたのかな」 枕許へ何か....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
、冷水。 画工 (飲みながら、現にて)ああ、日が出た、が、俺は暗夜だ。(そのまま
寝返る。) 初の烏 日が出たって――赤い酒から、私のこの烏を透かして、まあ。――....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
おしおと座につきぬ。 顔見ば語らむ、わが名呼ばれむ、と思い設けしはあだなりき。
寝返ることだに得せぬ人の、片手の指のさきのみ、少しく衾の外に出したる、その手の動....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
かった。世は晨に夕べも分らない乱脈さだった。どこのたれがいつ仮面をぬぎ、またいつ
寝返るやらも計りしれない。勝敗も一朝には信じられず、人間同士もすべて狐たぬきの化....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
にも、尊氏と麾下の軍そのものとの内部的な亀裂が見える。直義党の残党と通じて、いつ
寝返るか知れない者が、なお鎌倉の内にはいる証拠と見てよい。 尊氏はそれも知って....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
て来たか、余りにも、良人の気もちが分っていた。眼じりから、涙のすじが、枕を打つ。
寝返る振りをしては、折々、かの女は、顔をそむけた。 朝。夜が明けるか、明けない....