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「寝道具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寝道具の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
」 こんなことをその針医に言って、岸本は家のものの手も借りずに書斎の次の間から寝道具なぞを取出して来た。それを部屋の片隅《かたすみ》によせて壁に近く敷いた。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
居間という六畳敷のひと間が眼の前にあらわれた。半七は先ず押入れをあけると、内には寝道具と一つの古葛籠《ふるつづら》があった。葛籠には錠が卸してなかった。 「ちょ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に、二人は口のうちであっと叫んだ。 押入れの上の棚には、古びた湿《しめ》っぽい寝道具が押し込んであったが、棚の下には一人の女がころげていた。女は二十五六の年増....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たので、お国はもう寝てはいられなくなって、次八と一緒に店の戸をあけ放した。お国は寝道具を片付ける。次八は表を掃く。そのあいだにも一種の不安がお国の胸を陰らせた。....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
も忘れないと涙を流してお云いだというじゃアないかね、元町へ世帯を持つ時も左様だ、寝道具から膳椀まで皆なお前お父さんに戴いたのじゃアないか、此様なことを云って恩に....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
のところへ手をあてがった。半蔵も耳を澄ました。お民だ。彼女は佐吉に手伝わせて客の寝道具をそこへ持ち運んで来た。 「暮田さん、非常にお疲れのようですから、これでわ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
かしそれらの人たちを待つ設備と形式とは昔のままこうした屋敷に残っている。食器から寝道具までを携帯する大名の旅は、おそらく戦時を忘れまいとする往昔の武人が行軍の習....
」より 著者:島崎藤村
いで、子供が泣出した。 「ハイ」 と下婢は呼ばれもしない頃に返事をして、起きて寝道具を畳んだ。下婢が台所の戸を開ける頃は、早起の隣家の叔母さんは裏庭を奇麗に掃....
足迹」より 著者:徳田秋声
いるようで、狭い額際も曇っていた。階上の物置や、暗い倉のなかに閉じ籠って、数ある寝道具や衣類、こまこました調度の類を、あっちへかえしこっちへ返し、整理をしたり置....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
すがたも、よくはおげんの眼に映らなかった。弟の仕事部屋に上って見ると、姉弟二人の寝道具が運ばさせてあって、おげんの分だけが寝るばかりに用意してあった。おげんは寝....
麻畑の一夜」より 著者:岡本綺堂
この怪物の正体を確かめたいものです。どうでお構い申すことは出来ませんが、あなたの寝道具ぐらいはありますから。」 「どうで徹夜の考えですから、寝道具などはいりませ....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
さが身にしみて来た。 「おまえはお疲れであろう、早くお休みなさい。」 叔父には寝道具を出してくれて、僧はふたたび仏壇の前に向き直った。彼は低い声で経を読んでい....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
そうですが、世にも暢気な人があればあるものです。 私と松どんとは、半さんの家の寝道具を背負い、もう一度出直して来ることをいい置き、元の道を通り抜けて、一旦、師....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
抵のことではむずかしい。かれは強い決心を以って父の前に出ると、師直はいつの間にか寝道具を取り払わせて、紫紺地に巴の模様を白く染め出した直垂を着て、敷皮の上に武者....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
々を照し視たが、上も下も右も左も唯一面の嶮しい岩石で、片隅の低い岩の上には母子の寝道具かと思われる獣の生皮二三枚と、茶碗と箸と薬鑵のたぐいが少しばかり転がってい....