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寝静まる
「寝静まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寝静まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
てくれた品である。何故《なぜ》これが此所《ここ》に隠してあるのだろう。 自分の
寝静まるのを待って、お政はひそかに箪笥からこの帯を引出し、明朝《あす》早くこれを....
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
それから後、深良屋敷のラジオがピッタリと止んで、日が暮れると間もなく真暗になって
寝静まるのを見た人々が、 「あれは一知がラジオの械器を毀《こわ》したのじゃないら....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
、雛の話声が聞える、と小児の時に聞いたのを、私は今も疑いたくない。 で、家中が
寝静まると、何処か一ケ所、小屏風が、鶴の羽に桃を敷いて、すッと廻ろうも知れぬ。…....
「爛」より 著者:徳田秋声
いたが、商売をしていた時分の傷のついたことを感ぜずにはいられなかった。 近所が
寝静まるころになると、お増はそこに独りいることが頼りなかった。床に入ってからも、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、斯様に物々しい準備を整えたまま、時計の針が十一時……宿直の医員や、当番の小使が
寝静まる時刻を指すのを、今や遅しと待っていた者である事が、現在の状況に依って、お....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
おります」 「ではいつここから出られるので?」葉之助はジリジリした。 「間もなく
寝静まるでございましょう、もう少々お待ちくだされ」 「それにしても前田氏には、ど....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ない。 壬生《みぶ》の村のその晩はことに静かな晩でした。南部屋敷もさすがに人は
寝静まる、勘定方《かんじょうかた》平間重助《ひらまじゅうすけ》は、井上源三郎と碁....
「奇怪な話」より 著者:豊島与志雄
して、大きな声や足音を、おのずから禁止する……。 夜更しの習慣の私は、早くから
寝静まる寝台車からのがれて、食堂車に腰をすえていた。腹はすいていないし、ゆっくり....
「上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
都市であるが、支那宿の騒々しさはまた特別である。蘇州や楊州などのような比較的早く
寝静まる都市に於ても、支那旅館では、深夜まで放談高笑の声が絶えず、マージャンの音....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
気持がいいんだよ。も少しこうしていましょう。」 二人は夜が更《ふ》けてあたりが
寝静まるまで、そのままじっとしていた。それからお寝《やす》みなさいと挨拶《あいさ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
」と大いに恐れて、もはや疑いを起す余地もなくなってしまった様子でした。その夜人の
寝静まるまで経文を唱えて居りまして三昧に入りました結果、いよいよ公道を取って進む....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
部屋から離れないようにして、心の中で番をしていたのですが、それでも心配で毎夜人が
寝静まるのを待って一応トランクの中を調べてみなければ眠れなかったのでございます。....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
反対に勝った方が酒を飲む。しかし夜半ともなれば、南京町の灯も消え、家人もようやく
寝静まる。そんなころを見はからって私はそっと起き出してかめの中のしゃくに手をかけ....