寝食を忘れる[語句情報] » 寝食を忘れる

「寝食を忘れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寝食を忘れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
吉左衛門はもう長いことこの忰を見まもって来て、行く行く馬籠の本陣を継ぐべき半蔵が寝食を忘れるばかりに平田派の学問に心を傾けて行くのを案じないではなかった。しかし....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
度の発起者側からあった。もとより彼は王滝の旧戸長遠山五平と前に力をあわせ、互いに寝食を忘れるほどの奔走をつづけ、あちこちの村を訪ね回って旧戸長らの意見をまとめる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
めた土を分析《ぶんせき》したり、また火にかけたりして験《ため》すことに、ほとんど寝食を忘れるくらいの熱心でありました。 能登守が預かって、城内の調練場で扱って....
魚玄機」より 著者:森鴎外
なってからは、一面には典籍の渉猟に努力し、一面には字句の錘錬に苦心して、ほとんど寝食を忘れる程であった。それと同時に詩名を求める念が漸く増長した。 李に聘せら....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
来たのだ。たとえ短かい一時とはいえ、日本を去るのは今は実に惜しい。また、ほとんど寝食を忘れるくらいに忙がしい同志を置き去りにして出るのも実に忍びない。しかし日本....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
順序を厭《いと》うて、どこまでも独学で行くの寸法らしい。凝《こ》り出すとこの男も寝食を忘れる性質《たち》で、力持のお勢さんが来ても脇目もふらない。 力持のお勢....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
て毒茸を食し、一夜にそろって死んでしまった。 豪放な喜兵衛旦那もさすがに一時は寝食を忘れるほどの悲歎にくれたのである。しかし冷静に考えれば希望がなくなったわけ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
方を鍾愛なさる母上がひどく苦になさった時など、緒方氏は母上がお気の毒だといって、寝食を忘れるほどに心配なすったのでした。 緒方氏がまだ十歳くらいの頃、大阪の家....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
進んで出て行くようなことは決してなかった。その代り頼まれればいつでも一肌脱いで、寝食を忘れるのが常であった。次から次と方々から難物が持ち込まれた。それらを多くの....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
んで出て行くようなことは決してなかった。そのかわり頼まれればいつでも一肌脱いで、寝食を忘れるのがつねであった。つぎからつぎと各方面から難物が持ち込まれた。それを....
三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
なりもう、一週間位は部屋の外へ出なかったのだから。そして彼は、その一週間の間を、寝食を忘れるようにして自分の途を迷っているのであった。ここに何等の夾雑物的な感情....