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「寡婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寡婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
大きな原野の片隅に、その市街は植民地の首府というよりも、むしろ気づかれのした若い寡婦《かふ》のようにしだらなく丸寝している。 白官舎はその市街の中央近いとある....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
にもたくさんある。このあいだアメリカのある新聞で見ましたに、ある貴婦人で大金持の寡婦《やもめ》が、「私はドウゾ死んだ後に私の名を国人に覚えてもらいたい、しかし自....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
身な気持ちになった男の方にはお隣に住んでいて、じっとして居られませんの。あたしは寡婦ですからね。正直に白状すればとてもやきもちが妬けますの。あなたのところへ奥さ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
。 朝より夕に至るまで、腕車、地車など一輌も過ぎるはあらず。美しき妾、富みたる寡婦、おとなしき女の童など、夢おだやかに日を送りぬ。 日は春日山の巓よりのぼり....
母への追慕」より 著者:上村松園
父の顔を知らない私には、母は「母と父をかねた両親」であった。 私の母は二十六の若さで寡婦となった。 人一倍気性が強かった。強くなければ、私と私の姉の二児を抱いて独....
燕と王子」より 著者:有島武郎
一つの窓がこっちを向いて開いている。あの窓の中をよく見てごらん。一人の年|老った寡婦がせっせと針仕事をしているだろう、あの人はたよりのない身で毎日ほねをおって賃....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
し、それが現在自分の倅だと思うと我れながら嬉しくなった。彼が急に起き上って「若|寡婦の墓参り」という歌を唱いながら酒屋へ行った。この時こそ彼は趙太爺よりも一段う....
風波」より 著者:井上紅梅
頭のまん中を叩きつけたわけである。「誰がお前に口出ししろと言ったえ。この間男の小寡婦め!」と大きな声であてつけた。 ガランと一つ音がして、六斤の手の中の空碗が....
寡婦」より 著者:秋田滋
うな死に方をして果てました。 その人は十二になる男の子と、私の母の妹である女を寡婦として残して逝かれました。良人に先立たれた叔母は、その子供を連れて、ペルティ....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
地へ大賭博に来て居ること。フランス華族社会切っての伊達者ボニ侯爵がアメリカの金持寡婦の依頼で、この土地で欧洲名門救済協会の組織を協議したこと等の記事が眼につく―....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
雪与四郎・音音 乱山|何れの処か残燐を吊す 乞ふ死是れ生真なり※し 薄命紅顔の双寡婦 奇縁白髪の両新人 洞房の華燭前夢を温め 仙窟の煙霞老身を寄す 錬汞服沙一日....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
死にさえすればいいんだよ。 戸部 花田、貴様は残酷な奴だ。……ともちゃんをすぐ寡婦にする……そんな……貴様。 花田 (初めて思いついたようにたまらないほど笑....
註文帳」より 著者:泉鏡花
縁づきは。憚ってお名前は出さぬが、と差配さんが謂わっしゃる。 その御大家は今|寡婦様じゃ、まず御後室というのかい。ところでその旦那様というのはしかるべきお侍、....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
来した。加うるに艶妻が祟をなして二人の娘を挙げると間もなく歿したが、若い美くしい寡婦は賢にして能く婦道を守って淡島屋の暖簾を傷つけなかった。 爰に川越在の小ヶ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
典出版会等あり、防護、慈善、救助に関したるものには、労役者保護会、婦女子保護会、寡婦、小児、老人、水夫、免役者(兵役・懲役とも)、外国人、破船者、遭難者、牛馬等....