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「寡慾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寡慾の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
見る人があると、「お気に召しましたらお待ち下さい。差し上げましょう」といった風な寡慾で、サッパリしていますので、この札差の旦那衆から同情されて、仕事は次から次か....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
は、すっかり人間のいうことが分るようだ。」 という評判をとったほどのものだった。寡慾で、貧乏だった徐枋は、家に食うものといっては何一つなくて、ひもじい目をするこ....
一九二三年夏」より 著者:宮本百合子
の層の比較として見るとき面白し。 自分として困ることは、Aの貧しさは、彼の心の寡慾、学究によると思った。が、そうばかりではないと云うことだ。 Aの勉....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
とになる。くどいようだが、われ等の求むる人物は、敏腕で、熱心で、真理慾が強くて、寡慾で、そして温和しい魂の所有者であらねばならぬのである。人選に骨が折れる筈では....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
香|馥郁《ふくいく》たる悦びの花束なのだけれど。こういうおくりものに対しては私は寡慾ではいられないわ。手紙を毎週待ったことは、私の申上げたことは覚えていたのです....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
明治の中頃、小石川目白台に、アウンバラバなる一僧侶があった。その行いは厳正にして寡慾、天晴の名僧善智識として多数人の尊敬を受けていた。するとこのバラバに金を捧げ....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
豺《さい》を見て戦《おのの》く臆病心《おくびょうしん》にあるのだから、その温順|寡慾《かよく》なる羊質をもちながら、なお虎《とら》の驍悍勁※《ぎょうかんけいれい....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
に見下すの気位を生ずべし。天下の人皆|財《ざい》を貪《むさぼ》るその中に居て独り寡慾《かよく》なるが如き、詐偽《さぎ》の行わるる社会に独り正直なるが如き、軽薄無....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
生涯のうちに自分で満足の出来る作品が二、三篇でも出来ればあとはどうでもよいという寡慾な男に候処、それをやるには牛肉も食わなければならず玉子も飲まなければならずと....