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寧日
「寧日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寧日の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
いる。ただ顋《あご》の髯《ひげ》に至ってはその時から今日《こんにち》に至るまで、
寧日《ねいじつ》なく剃《そ》り続けに剃っているから、地面と居宅《やしき》がはたし....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
と思われる、われら先達するものの不明が今に於いて罰せられつつある、あなたは奔命に
寧日なく、家中のものの心根に通じてはいない、身どもら、おぼつかなくも鍬《くわ》を....
「津軽の虫の巣」より 著者:宮本百合子
は以ての外である。のみならず城中の使用も差し控えねばならぬことになる。お家大事と
寧日も無い老臣達は、上への聞えを憚って、遂に今は一刻の猶予もならず、何とも知れぬ....
「十姉妹」より 著者:山本勝治
家を憎む思想と感情とを土産に、顔を蒼くし髪を長くして帰郷するやいなや、農民運動に
寧日ない慎作を目の敵にして、事々に小姑の様な執拗さで盾付いた。母は洗濯とボロ綴り....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
とが江戸見物にやって来た。芝は三田の寺町へ格好な家を一軒借りてこれも市中の見物に
寧日ないという有様であった。しかし二人が江戸へ来たのには実に二つの理由があった。....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
と思いますが。『週刊毎日』買えず『日評』も買えず、御免下さい。病院通いで書生さん
寧日なく、宅下げの夜具まだとれず夏ぶとんもおくれていて御免なさい。月曜に国かえっ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
神を目の玉に集中、剣客の真剣勝負のやうにジリジリにぢり進む。低速のおかげで往復に
寧日なく、呼べば「ヘーイ」と調子の外れた大声で返事はするが目じろぎもせず必死の構....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
らない。江戸を兵燹から守らなければならない。好い策はないか。よい策はないか」と、
寧日のない騒忙の裏にこの事ばかりを考えた。 「西郷に会おう。西郷は知己だ。会って....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
然とひねりだされた科学小説もなく、そしてまた科学者たちは本来の科学研究を行うのに
寧日なく、自己の科学趣味や科学報恩の意志を延長して科学小説にまで手を伸ばそうとい....
「二十一」より 著者:坂口安吾
、最後に、外国語を勉強することによって神経衰弱を退治した。目的をきめ目的のために
寧日なくかかりきり、意識の分裂、妄想を最小限に封じることが第一、ねむくなるまでで....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ならなかった。 沼南はまた晩年を風紀の廓清に捧げて東奔西走廃娼禁酒を侃々するに
寧日なかった。が、壮年の沼南は廃娼よりはむしろ拝娼で艶名隠れもなかった。が、その....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
など戯《たわ》むれをいいしことありたり、実に山頂は風常に強くして、殆《ほと》んど
寧日《ねいじつ》なかりしなり、然《しか》れども諸般《しょはん》の事《こと》やや整....