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寨
「寨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
大宅太郎光国《おおやのたろうみつくに》の恋女房が、滝夜叉姫《たきやしゃひめ》の山
寨《さんさい》に捕えられて、小賊《しょうぞく》どもの手に松葉燻《まつばいぶし》と....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
い昔だ。お前らまだ、親爺さんの睾丸の中に這入っとった時分だよ。」 ある時は、山
寨の馬賊の仲間に這入り、ある時は、奉直戦争に加わり、又、ある時はハルピンの郊外に....
「運命」より 著者:幸田露伴
大同の守将|房昭に檄し、兵を引いて紫荊関に入り、保定の諸県を略し、兵を易州の西水
寨に駐め、険に拠りて持久の計を為し、北平を窺わしめんとす。燕王これを聞きて、保定....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
いえ未だ山には雪が残っているのを見て泣き、山賊たちをひどく手こずらせて、古巣の山
寨にたどり着いた頃には、眼を泣きはらして猿の顔のようになり、手下の山賊たちは興覚....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
りのこと、それを今更秀吉の指図に就かりょうとは口惜しい限り、とてもの事に城を掻き
寨《とりで》を構え、天下を向うに廻して争おうには、勝敗は戦の常、小勢が勝たぬには....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
されるように相成りました。 此方はお話|二派になりまして、竹ヶ崎南山の粥河が賊
寨では、かの夜(山三郎と果し合の夜)同類の者一同は寄集り、ずうっと居並んで居りま....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
された。人家の窓には赤旗が現われた。パリーのもろもろの革命の古い伝統によって、防
寨《ぼうさい》が一つ作られた。街路の舗石はめくられ、ガス燈はねじ曲げられ、樹木は....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
したところは、ただ、ニヴェルおよびジュナップから行く両道をさえぎっている二つの防
寨《ぼうさい》のほかには、何らの障害もないというのであった。ちょうど畑の作物が高....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ユスさん、」とその声はまた言った、「お友だちがみなあなたを、シャンヴルリー街の防
寨《ぼうさい》で待っています。」
その声は彼のまったく知らないものではなかった....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
第一編 市街戦
一 サン・タントアーヌとタンプルとの両|防
寨《ぼうさい》
社会の病根を観察する者がまずあげ得る最も顕著な二つの防
寨は、....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
を曳いた。その次に彼を驚かせたのは、少年の着ている衣裳であった。その衣裳には柬埔
寨国の王室の紋章が散らしてある。 曾て、九郎右衛門は柬埔
寨へも、一二度往復した....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
よ。電燈とめられちゃッたんだそうです。梅田通りの一流の土地なんですがね。まるで山
寨ですね」 そこは某新聞記者の溜り場の一ツらしい。記者連がゴロゴロ酔いただれて....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ーンボーグリルの女中さんであったそうな。レーンボーグリルとはその上の文藝春秋の本
寨だもの。婦人記者よりも文壇通の、文士については赤外線的な鑑定眼を養成した錬士だ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
本の盛り場には山賊が多すぎるよ。愚連隊のアンチャン。そのまた上のボス。それから山
寨をかまえて酒をうる商法。 私のように自業自得を心得、承知で愚をくり返す人間は....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の証拠になる書類を、首に掛けた例の黒革巾着のなかの物とともに裂き捨てると、邸に防
寨を施し始めた。が、はやくも女王の軍隊は、海軍卿に率いられながら、邸に迫っていた....