»
寵
「寵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
しにかなう所か、すぐに本性《ほんしょう》を御見透《おみとお》しになって、とんと御
寵愛《ごちょうあい》の猫も同様、さんざん御弄《おなぶ》りになった上、二度と再び御....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
壌《へいじょう》の大同館《だいどうかん》に妓生《ぎせい》桂月香《けいげつこう》を
寵愛《ちょうあい》していた。桂月香は八千の妓生のうちにも並ぶもののない麗人である....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
たように覚えていますが。」
呂翁《ろおう》は、得意らしく髭を撫でた。
「では、
寵辱《ちょうじょく》の道も窮達《きゅうたつ》の運も、一通りは味わって来た訳ですね....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
かご》を賜わるのに違いない。第一なたらの夜《よ》に捕《とら》われたと云うのは、天
寵《てんちょう》の厚い証拠ではないか? 彼等は皆云い合せたように、こう確信してい....
「白」より 著者:芥川竜之介
るいざわ》に避暑中のアメリカ富豪エドワアド・バアクレエ氏の夫人はペルシア産の猫を
寵愛《ちょうあい》している。すると最近同氏の別荘へ七尺余りの大蛇《だいじゃ》が現....
「或る女」より 著者:有島武郎
やがて自分の妄念《もうねん》をかき払うようにこういって、女中を呼んだ。
貞世は
寵児《ペット》らしくすっかりはしゃぎきっていた。二人《ふたり》が古藤につれられて....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いとした点だけが違っていた。この二人の一人は大僧正になり、一人は最も有力な王侯の
寵を受けた(彼は芸術の愛好者フランシス一世に招かれてフランスに行き、その国のアム....
「春昼」より 著者:泉鏡花
彩鸞簾額著霜痕、 ええ、何んでも此処は、蛄が鉤闌の下に月に鳴く、魏の文帝に
寵せられた甄夫人が、後におとろえて幽閉されたと言うので、鎖阿甄。とあって、それか....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
くも堪えない讒謗罵詈は雷のごとく哄と沸く。 鎌倉殿は、船中において嚇怒した。愛
寵せる女優のために群集の無礼を憤ったのかと思うと、――そうではない。この、好色の....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
当りが板戸になる。……そこが細目にあいた中に、月影かと見えたのは、廂に釣った箱燈
寵の薄明りで、植込を濃く、むこうへぼかして薄りと青い蚊帳。 ト顔を見合せた。 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
けた。背後に二人、朱の台傘を廂より高々と地摺の黒髪にさしかけたのは、白丁扮装の駕
寵人足。並んで、萌黄紗に朱の総結んだ、市女笠を捧げて従ったのは、特にお珊が望んだ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ます。私の幼い時分には祖父も祖母もまだ存命で、それはそれは眼にも入れたいほど私を
寵愛してくれました。好い日和の折などには私はよく二三の腰元どもに傅れて、長谷の大....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
を珠にすで、試練によりて浄化されたる魂が、死後に於て特別の境涯を与えられ、神の恩
寵に浴する。苦労なしに真の向上、真の浄化は到底望まれない。されば多くの魂は、自ら....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
っていられます。」 *デンマルクの詩人ホルベルのデンマルク国史物語に、ハンス王が
寵臣のオットー ルードとアーサー王君臣の交りについてとんち問答した話がかいてある....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
音もせず――獅子はひとえに嬰児になった、白光は頭を撫で、緑波は胸を抱いた。何らの
寵児ぞ、天地の大きな盥で産湯を浴びるよ。 散策子はむくと起きて、ひそかにその幸....