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寵姫
「寵姫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寵姫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
目はとろみ、だが只の女ではない。姿、容子、化粧の奢り、身分のあるもののおてかけか
寵姫か、およそ容易ならぬ女でした。 その女の膝へまた主水之介が何と穏やかならぬ....
「緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
と賈秋壑のことを話した。ある時、秋壑は水に臨んで楼で酒を飲んでいた。傍には秋壑の
寵姫が綺麗に着飾ってたくさん坐っていた。欄干の下を一艘の小舟が通って往ったが、舟....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
の、四角四面の屋敷。門は地味な衡門《かぶきもん》。それが当節飛ぶ鳥を落す、将軍|
寵姫《ちょうき》の外戚《がいせき》、土部三斎の住居であった。
一八
吉原冠....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
この一の色をかほど扱いあぐむ心根を不便《ふびん》がり、さしもわが身よりも惜しんだ
寵姫を思い切ってアに賜いし、それ自ら制して名工を励ました力の偉なる、ペルシャ、イ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いという態度をとるほどの御|寵愛《ちょうあい》ぶりであった。唐の国でもこの種類の
寵姫《ちょうき》、楊家《ようか》の女《じょ》の出現によって乱が醸《かも》されたな....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ことを、故人の御息所へお申し込みになったこともあるのである。御息所のほうでは院に
寵姫《ちょうき》が幾人も侍している中へ、後援者らしい者もなくて行くことはみじめで....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ょう。御所には中宮が特殊な尊貴な存在でいらっしゃいますし、また弘徽殿の女御という
寵姫もおありになるのですから、どんなにお気に入りましてもそのお二方並みにはなれな....
「源氏物語」より 著者:紫式部
に長男が選ばれたなら、どんなに自身のためにも光栄であるかしれないと考え、院の御|
寵姫の尚侍の所へは、その人の姉である夫人から言わせて運動もし、一方では直接お話も....
「源氏物語」より 著者:紫式部
とであると思うと、自由に外へ出て行ってよい自分とは思われなかったのである。陛下の
寵姫を盗みたてまつるようなことをしても、これほどの熱情で愛している相手であったな....
「盈虚」より 著者:中島敦
くばかりである。公は侍臣に命じて此の女の髪を根本《ねもと》から切取らせた。後宮の
寵姫の一人の為にそれで以て髢《かもじ》を拵《こしら》えようというのだ。丸坊主にさ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
うしろに断崖がある。八重垣落しである。 八重垣というのはこの竜造寺家幾代目かの
寵姫である。戦乱の収まって以来、戦勝者が本藩を建て、竜造寺家はその支藩の名の下に....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
んじ》さんのお鯉さんと呼ばれた。照近江《てるおうみ》のお鯉という名は、時の宰相の
寵姫《おもいもの》となる芽出度《めでた》き、出世登竜門の護符《ごふう》のようにあ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
麗姫は引取られ后宮に入れて育てられた。いずれ王の第二の夫人にも取立てられる有力な
寵姫になるだろうと思われているうち、この王が歿し麗姫は重臣達の謀らいで遠くの洛邑....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
い返しをした。 祇園《ぎおん》の八坂の社《やしろ》の東南のあたりに後白河法皇の
寵姫が隠れていた。江口の遊女で亀遊といい、南殿で桜花の宴があったとき、喜春楽を舞....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
。――あとの行く道は、このまま美衣美食に肥えたぬるい神経のもち主となって、大奥に
寵姫の数を殖やし、将来、無益で徒食の権利だけのある子どもを幾十人も生ませ、塗炭の....