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寵愛
「寵愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寵愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
しにかなう所か、すぐに本性《ほんしょう》を御見透《おみとお》しになって、とんと御
寵愛《ごちょうあい》の猫も同様、さんざん御弄《おなぶ》りになった上、二度と再び御....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
壌《へいじょう》の大同館《だいどうかん》に妓生《ぎせい》桂月香《けいげつこう》を
寵愛《ちょうあい》していた。桂月香は八千の妓生のうちにも並ぶもののない麗人である....
「白」より 著者:芥川竜之介
るいざわ》に避暑中のアメリカ富豪エドワアド・バアクレエ氏の夫人はペルシア産の猫を
寵愛《ちょうあい》している。すると最近同氏の別荘へ七尺余りの大蛇《だいじゃ》が現....
「或る女」より 著者:有島武郎
ならぬほどにそれははるかにもかけ隔たった事だった。父母――ことに父のなめるような
寵愛《ちょうあい》の下《もと》に何一つ苦労を知らずに清い美しい童女としてすらすら....
「富士」より 著者:岡本かの子
の世に足り足らいつつ眼が瞑れることだろう。翁に、末のこどもの姉と弟があった。深く
寵愛していたのでまだどこの山へも送らず、手元で養っていたのであるが、翁はとうとう....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
だな。大星だか由良之助だかで、鼻を衝く、鬱陶しい巴の紋も、ここへ来ると、木曾殿の
寵愛を思い出させるから奥床しい。」 と帯を解きかけると、ちゃぶり――という――....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
り訊いてしまったことなのだよ。君江が一時、狂暴になったことがあったネ。あれは金が
寵愛をチェリーに移し始めた頃だったんだ。君江はそれを愚図愚図云ったものだから、金....
「食魔」より 著者:岡本かの子
。 彼は鰥で暮していた。姉のお千代に塾をひかしてから主婦の役をさせ、妹のお絹は
寵愛物にしていた。蛍雪の性癖も手伝い、この学商の家庭には檜垣の伯母のようなもの以....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
しています。殊にそのなかの孫悟空は、わたしが申歳の生まれである因縁から、取分けて
寵愛しているわけです。 そのほかの人形は――京、伏見、奈良、博多、伊勢、秋田、....
「古狢」より 著者:泉鏡花
もの、小豆洗ともいうんですわ。」 後前を見廻して、 「それはね、城のお殿様の御
寵愛の、その姉さんだったと言いましてね。むかし、魔法を使うように、よく祈りのきい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ます。私の幼い時分には祖父も祖母もまだ存命で、それはそれは眼にも入れたいほど私を
寵愛してくれました。好い日和の折などには私はよく二三の腰元どもに傅れて、長谷の大....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
山からその樹を抜いて来てバナナのように皮を剥いただけで地に立てる。東洋ほど自然に
寵愛され、自然を原形のまま利用するのを許されている国々にこのくらいな植物は探した....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
が、御位を継がせ給うて継体天皇となり給うについて、俄かに御上洛を遊ばされる時、御
寵愛の照日前に玉章と形見の花籠を賜わったが――照日前に、花筐を持って君の御跡を追....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
我に復って、悪い夢が醒めたように忽ちおとなしくなる。それは彼が日頃から姫を又なく
寵愛しているのと、姫に備わっているおのずからの強い力が彼を押さえ付けるのと、この....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
れは父ちゃんのおにゃん子」といって指一本も決して触れなかった。 この猫は主人の
寵愛に馴れて頗る行儀が悪るかった。客が来て食物が出ると、必ず何処からかヌウッと現....