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寵臣
「寵臣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寵臣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
することがあったならば、駿河一国を取り返すのはなんでもない。その場合には、氏元の
寵臣《ちょうしん》を助けた自分の位置はすこぶる有利になるだろうと考えた。右衛門も....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
うぞ」と、叫んだのであった。 彼は近頃にない上機嫌であった。酒宴の進むにつれ、
寵臣は代る代る彼の前に進んだ。 「殿! 大坂陣で矢石《しせき》の間を往来せられま....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
慊らない気持はあったのである。ある年の年賀の席で、勝家の乾した盃を勝豊に先じて、
寵臣佐久間盛政が執ろうとしたのを、勝豊盛政の袖を引いて、遠慮せしめたことなどさえ....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
して居る。併し何と云われても、信頼する事の出来ない重臣に取捲かれて居るより、愛妾
寵臣の側に居た方が快適であるし、亦安全であるに違いない。殷鑒遠からず、現に嘉吉元....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
土屋庄八郎昌猛である。庄八郎この時十九歳、晴信よりは三つ上であって、お側去らずの
寵臣であった。 「殿、なんとなされましたな?」心配そうに訊いたものである。 「莫....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
っていられます。」 *デンマルクの詩人ホルベルのデンマルク国史物語に、ハンス王が
寵臣のオットー ルードとアーサー王君臣の交りについてとんち問答した話がかいてある....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
然と輝く西の空を眺めやった。 「不思議の音にござります」 こう合槌を打ったのは
寵臣水野美濃守であった。さて不思議とは云ったものの何んの音とも解らない。しかしそ....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
。そこでおれは怒鳴ってやった。『誰かこのおれを殺そうとするのか?』 『はい上様の
寵臣が、ある結社を味方とし、上様を狙っておりますので』 『それでお前が助けたとい....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
式用紙に………… 当時、フランスの王は御璽で封印した逮捕または拘禁の秘密令状を
寵臣貴族たちに与えたのであった。ゆえに、彼等はその令状に誰でも彼等の欲する者の名....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
小舟がある。 春三月、桜花の候、琵琶の湖水静かである。 乗っているのは信長の
寵臣、森右近丸と云って二十一歳、秀でた眉、鋭い眼、それでいて非常に愛嬌がある。さ....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
こうか! 地下侍の分際で、痴がましいことは云わぬがよい。ここに居られるのは殿下の
寵臣、不破小四郎行春様だ。廻国風のその娘に、用あればこそ手をかけたのだ! じゃま....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
郷介はその時から最所家の家来となったのである。 才気縦横の郷介は間もなく治部の
寵臣となったが武道は精妙、弁舌は爽か、それに浮田家の内情は裏の裏まで知っていて、....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
してペテルスブルグにいた時、ゴルチャコフは、その露西亜の宰相であり、皇帝の無二の
寵臣であり、欧洲最大の政治家、且、大外交家として、国内にありては飛鳥をおとすよう....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
口は、やがては忘れられる一つの雲行きにすぎなかったが、エセックスが女王の輝かしき
寵臣レスター伯の継子になったという事実だけは、あとあとまで残ったのである。レスタ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
柄は士筋の百姓であるからインテリの血は多少流れている。時代は徳川将軍綱吉の世で、
寵臣柳沢吉保を用い、正道はやや偏頗放縦に流れかけて来た頃だが、そのようなことは私....