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「寵遇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寵遇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
た刀が下で開いた獅の口に入って獅たちまち往生した、王これは全く怪我の高名と知らず寵遇前に倍して厚く、国人皆敬伏して重んじたという。シェフネルの『西蔵説話《チベタ....
少女地獄」より 著者:夢野久作
彼女の看護婦としての優秀な手腕をかねてから嫉視している上に、彼女のそうした過分の寵遇を寄ると触《さわ》ると妬《ねた》み、羨み始めた仲間の新旧の看護婦連中が、とう....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
陶晴賢が主君大内義隆を殺した遠因は、義隆が相良遠江守武任を寵遇したからである。相良は筑前の人間で義隆に仕えたが、才智人に越え、其の信任、大....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ればまだしもじゃが、第一、三斎さま、駿河守さまの、御威勢も、言わば、浪路さまの御寵遇が、預かって力がある筋もござるし、このおふた方の権威が、又、世間の嫉《ねた》....
十二支考」より 著者:南方熊楠
馬ほど劇しいものなし。しかし真面目な時の馬は確かに情款濃く、撫愛されて悦び他馬の寵遇を嫉み同類遊戯するを好み勇んで狩場に働く。虚栄の念また盛んで馬具で美麗を誇る....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の尼子氏の如きもその分家に過ぎない――松の丸の閨縁《けいえん》によって豊臣秀吉の寵遇《ちょうぐう》を受け――といった名家であることは、不破の関屋の関守氏が事新し....
塩花」より 著者:豊島与志雄
かった。それで山口は、そのような物を茶菓子に出されたことを、自分に対する未亡人の寵遇だと解釈し、これほど甘いものなら自分も拵えてみたいからと媚びて、実地見学を申....
瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
ん》の事なり、後世子孫これを再演するなかれとの意を示して、断然《だんぜん》政府の寵遇《ちょうぐう》を辞し、官爵《かんしゃく》を棄《す》て利禄《りろく》を抛《なげ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
顔とが好ましからぬハンディキャップであった。だから、この年老った廷臣にとっては、寵遇を蒙る若者と親子関係にあることが、彼自身の位置の擁護になったと察しられる。と....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
先触 どうしてもお国が富んでいる、仁徳をお敷になる 王様と見えますね。御寵遇を受けるものは 為合でしょう。王様には此上のお望はなく、 どこかで何かが足り....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
のは、俊成出家の翌年六十四のときだが、その後右大臣九条兼実は俊成の歌を愛して彼を寵遇した。兼実も歌人だが、その子の良経は後京極摂政で、『秋篠月清集』の主、一代の....
三国志」より 著者:吉川英治
曹操から、俺の敵と睨まれたら助からないが、反対に彼が、この男はと見込むと、その寵遇は、どこの将軍にも劣らなかった。 彼は、士を愛することも知っていたが、憎む....
三国志」より 著者:吉川英治
、こよいの関羽の酒気をひがんで云った。 「羽将軍も、むかしと違って、いまは曹操の寵遇も厚く、恩にほだされて、妾たちが足手まといになって来たのでございましょう。…....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の名から捨てさせたいお心もあったのか、何しても一武臣へ、これは破格なことだった。寵遇の象徴としてこれ以上な附与はない。 高氏は、感激した。彼には愚直な一面もあ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
遺骸は街道の往還に向つて葬るべし。 武蔵の心は、そこにあったのである。細川家の寵遇に対して彼がいかに感銘していたかも思い遣ることができる。同時に、当時の侍の通....