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寸前
「寸前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寸前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
ほど、なるほど、そのとおりですね」 「それが両国によく分ったと見えましてね、爆発
寸前というところで戦争のおこるのは、くいとめられたんです。お分りですかな」 「そ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
の廻転数との間に、非常に精密な計算が必要だったと云うのは、短剣が大鐘の裾に達する
寸前に氷柱が電流を導かねばならなかったからです。なぜなら、触電によって鐘に起る磁....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
ゃ」――千斎はいとも苦々しく「悪虫妖狐|魑魅魍魎に、何んの親切が感じられようぞ。
寸前尺魔、危険千万、愚老は是でお暇申す。貴殿もご注意なさるがよい」 気にかかる....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
てたもんですか」 「あれですか、えーと、たしか今年の五月頃から始まって、地震の一
寸前位に出来上ったのですよ」 「それ迄は更地だったんですか?」 「えゝ、随分久し....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
ど、なるほど、そのとおりですね」 「それが両国にもよく分ったと見えましてね、爆発
寸前というところで戦争のおこるのはくいとめられたんです。お分りですかな」 「それ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
に身を横たえなければならないのであったが、運命のくすしき足取は、女の生命を危局の
寸前に救った。それは今や鼠《ねずみ》に向って躍りかかろうとする猫の如きその男の腰....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
をつけた。今夜は思い切って刑事の首を飛ばしてやろうと考えたのだ。 だが彼はその
寸前に思い停って、もう一度右腕を覘って、一発ぶっ放した。すると刑事は蝙蝠のような....
「恐竜島」より 著者:海野十三
かると、ラルサンも負けてはいなかった。はげしい組打《くみうち》がはじまろうとした
寸前《すんぜん》。 「おい、しずまれ。二人とも、けんかはやめて、うしろへ引け。い....
「火星探険」より 著者:海野十三
命のきわまるときが来た。今やこの少人数の宇宙艇は、彼らのために踏みにじられるその
寸前にある! 「エフ瓦斯《ガス》を放出せよ」 デニー博士の号令がひびきわたった....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
進められた。またミミ族の一人一人を解剖して、その正体をさぐった。この前は、解剖の
寸前に逃げられてしまったが、こん度は宇宙線を遮蔽した、特別の構造を持った解剖室で....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
れないけれども、「鳴く鹿の」としても、充分味うことの出来る歌である。 なお、一
寸前言した如く、巻九(一六六四)に、雄略天皇御製歌として、「ゆふされば小倉の山に....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
にしみているではないか。けれども彼らは平然たるものであった。正宗菊松が蹴倒される
寸前に彼らはいち早く伏して拝むことを忘れなかったが、ある危機の時間がすぎると、か....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
したり、読書にふけったり、あいかわらず静かなのですが、なんとなく、原爆の破裂する
寸前のようなぶきみさを感じるのは、あのいたずらっぽい瞳のせいであろうか。その時で....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
したというのも、やはり一種の地主神を護法に使ったのであった。今も大峯山中には、一
寸前編に云った様に、この時行者に使役せられた鬼の子孫だと称するものが住んでいる。....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
五のころ、汽車賃が足らず伊勢参りをやめて横浜へ流れたとき、木曜島に売り飛ばされる
寸前、香港で阪大佐太郎に救われたあの日。まるで鉛筆を立てて、その倒れぐあいで人生....