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寸延び
「寸延び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寸延びの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ん」「それは新工夫だね、どうだい苦沙弥《くしゃみ》などはちと釣って貰っちゃあ、一
寸延びたら人間並になるかも知れないぜ」と迷亭が主人の方を向くと、主人は案外真面目....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
て一日とび廻っては、大飯を食っていた。 十三の正月から十四の正月までに、背が五
寸延びた。そうして十四から十五までに四
寸延びて五尺二寸何分かになった。 四....
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
の行くところまで行ったのであった。谷合いの畠にお長の双た親と兄の常吉がいた。二三
寸延びた麦の間の馬鈴薯を掘っていたのである。 「まあ、よう来てくれなんしたいの」....
「旅愁」より 著者:横光利一
べ終ると手帳の紙片をひき裂き、コックに手渡す今夜の礼を書きかけたが、侯爵の方へ一
寸延びて、「日本人?」と訊ねた。
「フランス人だ。郵船にいたんだがね。」
「そう....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
小さな神の祠の前へ出た、これが森の入口なので。森の中へはいッて見ると、小草の二三
寸延びた蔭または蚊帳草の間などから、たおやめの書いた仮名文字ののしという恰好で、....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
という註文が来てて、小波さんが書く間の繋として僕が書き送ったものである。例の五枚
寸延びという大安売、四十回ばかり休みなしに書いたのである。 本人始めての活版だ....