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寸志
「寸志〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寸志の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
二月十五日。一、分量は、四百字詰原稿十枚。一、題材は、春の幽霊について、コント。
寸志、一枚八円にて何卒。不馴れの者ゆえ、失礼の段多かるべしと存じられ候《そうろう....
「乱世」より 著者:菊池寛
ても相身互いじゃと存じたによって、かほどまで寛大な取扱いをいたしたのは、われらが
寸志じゃに、それが各々方に分からなかったとは心外千万じゃ。いや、ようござる! 鎮....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
想ふに毅然たるアルプスは日本人の表兆にして登山家諸賢の御参登を仰いで初めて小生の
寸志も遂げ得る者に候、切に礼賛御宣伝を御希申上候 敬具」 鉛筆登山――私は彼の....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「よッ。なにッ?」 さすがの退屈男もぎょッとなって、総身が粟粒立ちました。 「
寸志。糸屋六兵衛伜源七――」 あの男の名前です。今のさっき大川で土左船の者から....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
――軽少過ぎる。卓子を並べて、謡本少々と、扇子が並べてあったから、ほんの松の葉の
寸志と見え、一樹が宝生雲の空色なのを譲りうけて、その一本を私に渡し、 「いかが。....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
んた能く御存じで、何うして知って居るの」 庄「なゝなに此の間|他で聞いたのだ、一
寸志だから」 美「厭だアね、人…たった五六|度呼ばれたお客の死んだ度にお寺詣りす....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ったお手当でしょうか、と私をハッキリ見つめて言うから、いゝえ、私が差上げるお祝の
寸志ですと申上げると、それでしたら辞退させていたゞきたいと存じますが、たっていた....
「無毛談」より 著者:坂口安吾
のパンパン嬢にあい、ゴハンたべさして、と云うので、食堂へ行く。パンパン嬢、お礼の
寸志か、私の髪をくしけずってくれる。半年以上も床屋へ行かず、自分でハサミできって....
「日月様」より 著者:坂口安吾
ら品物をとりだした。 「いつもお世話になりまして、お礼もできませんで、これは私の
寸志でございます。先生もさだめしお苦しいことだろうと拝察致しまして、私もマア、ち....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
を締め切った覆面の老人。 「驚かれたでござろうな」……打って代わって愛相よく、「
寸志でござる。お納めくだされ」 紙包みを前へ差し置いた。 「もはや用事はござり....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
と、不意に、紋十郎は、若衆の後から声を掛けた。ハッとして若衆は立ち縮んだ。 「
寸志でござる。お受け取りくだされい」 一葉の紙を突き付けた。 若衆は無言で受....
「光は影を」より 著者:岸田国士
から二三日して、彼の留守中、味岡正造という名刺をもつた使いの者が、菓子折と、別に
寸志と書いたノシ袋を置いて行つたことを知り、彼は、その「
寸志」の方を、自分でわざ....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
せんと思い居りしが、かくてはその災害を待つに同くして本意に非ざれば、今より毎年|
寸志までの菲品を呈すべしとて、その後は盆と暮に衣物金幣、或は予が特に嗜好するとこ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
。「相模のちり」御採用被下候由にて難有存候。あれは未知の人なれど折角故ただ小生の
寸志にてしか取計いたるまでに候。紹介様のもの御入用の由故わずかばかり認め申候。近....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
かけて来て、 『染之助親方が、これは御ひいきに預りましたお礼のしるしに、差上げる
寸志でございますから、まげてお受納下さいますようと申しておりました』と、云いなが....