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「寸書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寸書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
よ》いその大屋は」 △「へえ、と藤兵衞」 武「藤兵衞か、宜しい、貴様の名を一寸書いて置こう、貴様は何と云う名だ」 △「へえ御免なすって」 武「謝罪《あや....
明暗」より 著者:夏目漱石
を立った証拠《しょうこ》に、細い筆の穂先が、巻紙の上へ墨を滲《にじ》ませて、七八寸書きかけた手紙の末を汚《けが》していた。 戸締《とじま》りをして夫の後《あと....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
。 かくて大正十二年も終って、愈※支倉の云う冤枉未決八年の時となった。こゝに一寸書き添えて置かねばならぬのは、十二年には彼に取って心からの同情者だった救世軍の....
鈍・根・録」より 著者:宮本百合子
「ああ、神官さんに葭江《よしえ》の略伝のようなものをやらなければならんが、お前一寸書いてやってくれないか。その中へこれまで何回も重病をわずらったが奇蹟的に生きた....
五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」より 著者:宮本百合子
鈴を振る。タワーリシチ! と演説する。――みんな出来るが、いざ、さあ議長ここに一寸書いて下され、とペンと書類とをつきつけられると、ピョートルの動顛は頂点に達する....
連環記」より 著者:幸田露伴
処で何様いう風に右衛門が巧みに訴え、上手に弁じ、手強く筋を通して物語ったかは、一寸書き現わしたくもあるところだが、負けた相撲の手さばきを詳しく説くのもコケなこと....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
はレヴュー弾圧令を度々下しているのである。その詳細な穿った弾圧規則は、ここでは一寸書くのに気が引ける程の気のまわし方であるが、念のため一例を挙げれば「殊更腰を部....
日記」より 著者:宮本百合子
から又夜八時間ほど死ぬまで今日は至って平穏に暮した。十時位まで数学と習字と絵を一寸書いて、ゆうべ話にきいた事をまとめて書いて見ようと思って書き出したけれども思う....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
月のうちに科学と文学のこと(科学ペン)婦人作家の今日(文芸復興)この間ハガキに一寸書いたブルムの結婚観の批判(婦公)をかき来月から又すこし沢山小説をかきます。で....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
台所のようなザラッとしたのは生《なま》鉄のやつです。」 この間、手紙の終りに一寸書いた隣りの細君の笑話というのはこうです。小母さまのいらした或夕方、「御免下さ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ねる時間という時間もスケジュールの中には大切にとられねばならず。今のところは、一寸書いたように、十一時ごろまでにかえり、早ひるをたべて、書くものがあるときは一寸....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
うわけです。栄文壇ヲ席捲スと私たちは云って大笑いなの。「廊下」についてはこの前一寸書きました。三つの中では「暦」が一等でしょう。栄さんのものとしてもこれまでの中....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
はもんぺばかりでも困るのだろう、帯も一本は入れなければなどと。 昨日ハガキに一寸書いたとおり、十日までには必ず切符を持って来ると云っていた寿江が余り音沙汰ない....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ときには私はいつでもこの川の岸べに立って川下を見渡した時の思いに返る。 先に一寸書いた新平民の孤独な子供槇君と角力とり花をたたかわせつつ遊んだのもこの川堤だ。....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
った珪次の留守の日のこと、私は小さい土鍋で、残った蒟蒻をくつくつ煮ていました。一寸書き添えたいのですが、私はどういうものか子供の時から、あの捉えどころのないよう....