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寸話
「寸話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寸話の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「豚群」より 著者:黒島伝治
だった。 彼等が最初に這入った小屋には、豚は柵の中に入ったまゝだった。彼等は一
寸話を中止して、豚小屋の悪臭に鼻をそむけた。 それまで、汚れた床板の上に寝ころ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
間と場所とを弁えぬ出現ぶりだった。尤もそれは皆が皆、本当の赤外線男とは思えず、一
寸話を聞いただけで偽赤外線男だと看破出来るようなものもあった。 帆村探偵は、直....
「処女作追懐談」より 著者:夏目漱石
師範に勤めることになった。それが私のライフのスタートであった。 茲《ここ》で一
寸話が大戻りをするが、私も十五六歳の頃は、漢書や小説などを読んで文学というものを....
「掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
身構えをして緊とステッキの頭を握りしめた。然し伊藤は穏かに云った。 「僕は君に一
寸話したいことがあって、前から機会を待っていましたが、仕事の方が忙しかったもので....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
《よせ》も遅いわね。」 その言葉が彼には、何かを促すように聞き做された。 「一
寸話があるんだが、も少し歩かない?」と彼は云った。 大きく見開いた眼でじっと見....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
は、益々妻に対しては冷淡になってきました。 それになおいけないのは……これは一
寸話しにくいことですが……僕の性慾が可なり弱かった――友人等にそれとなく聞き合し....
「人の国」より 著者:豊島与志雄
て、夕食の馳走にまで預ってしまった。それから、馴れない四五杯の酒に陶然として、一
寸話が途絶えた時、実は夕方早く帰って皆と食事を共にするつもりだったことを、後れ馳....
「好意」より 著者:豊島与志雄
に返上しようと考え初めた。 その時、吉岡は不意に看護婦の方へ呼びかけた。 「一
寸話があるから、あちらへ行っててくれないか。」 私は吃驚したが、看護婦は落付払....
「春」より 著者:豊島与志雄
、考えあぐんで、そしてどうにもならなくて、益々蒼ざめていく。 そこで小説家は一
寸話を切りました。そして、どうだろう、という工合に批評家の顔を見ました。 「ふう....
「穴」より 著者:黒島伝治
へ連れこまれた。そこには、冷酷な牢獄の感じが、たゞよっていた。「なんでもない。一
寸話があるだけだ。来てくれないか。」病院へ呼びに来た憲兵上等兵の事もなげな態度が....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ない、大方|追剥でも殺したのだろうと云って済ませます、当人さえ居なければ名主へ一
寸話をして置きますから、時が経ったら丹三さんは病身でお屋敷奉公は出来ないという所....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
そうだね、懺悔の積りでそっと話そうかね。綾さん(私の妻の名です)なんかの前では一
寸話されない話だが丁度貴君一人だから」と、云いながら、祖母は次のような話を始めま....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
。しかし、それは抵抗というほどのしぐさではなかつた。 「いいよ、何でもないよ、一
寸話したいんだ」 そのまま手を引くと、それ以上さからおうとせず尾いて来た。 ....
「雨」より 著者:織田作之助
のお兼を軽蔑していた安二郎は苦い顔したが、さすがに守蔵の手前を憚ってか、その頃一
寸話のあったお君を貰うことにしたのである。しかし、お君の美貌には彼も一眼みて頷け....
「それから」より 著者:夏目漱石
まりこの返事の冷淡なのに驚ろいた様子であった。が、又あとを付けた。 「先達ても一
寸話したんだが、新聞へでも這入ろうかと思ってる」 「口があるのかい」と代助が聞き....