寸鉄[語句情報] »
寸鉄
「寸鉄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寸鉄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
んじゃないか、ええ、おい、妙子を。」 二十一 冷か、熱か、匕首、
寸鉄にして、英吉のその舌の根を留めようと急ったが、咄嗟に針を吐くあたわずして、主....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
である。此書や先生の人物思想、本領を併せ得て十二分に活躍せしめて居るのみならず、
寸鉄人を殺すの警句、冷罵、骨を刺すの妙語、紙上に相踵ぎ、殆ど応接に遑まあらぬので....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「音無しの構え」です。兎を打つにも全力を用うるという獅子の気位か知らん。この身に
寸鉄もない……
寸鉄があったからとて、それを用うる術《すべ》を知らない盲目の小法師....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
の道を有たないのである。こうやって匿名批評乃至無記名批評は、断片的となると共に、
寸鉄的な箴言の性質を帯びて来る。今日断片的な匿名批評が流行するのは理由のないこと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことが何となしに心恃《こころだの》みになるし、それと、今宵に限って竜之助が、身に
寸鉄を帯びずして出て行くということに安心したものと見えます。 十四 ちょうど、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
すな」 「そうかも知れません」 兵馬の疑点が一歩ずつ深く進んで行きました。身に
寸鉄を帯びざることは、智識の誇りではあるにしても、寺に刀があって悪いという掟《お....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
って居ります。そんな事に恐れる文治ではございませぬから表に一同を待たせ置き、身に
寸鉄も帯びず、泰然自若として只一人玄関指してまいりますと、表に居ります数多の罪人....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ものが見たら、剽悍さに思わず震え上ったに違いない。事実この六百人のやくざは、身に
寸鉄を帯びていぬのであった。
警視庁からの親分の電話でこの喧嘩の趣旨を知り、敵....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
くなりしかども、改進の人は進みて退かず、難を凌《しの》ぎ危を冒《おか》し、あえて
寸鉄に衂《ちぬ》らずしてもって今日の場合にいたりたるは、ただに強勇というべきのみ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
、かの猛峻な怖るべき怪盗アルセーヌ・ルパンが面と向かって、十二分に武装したものが
寸鉄を帯びざる敵と相対せるものの如く冷然としてその目的に突進しつつ平静、端然と落....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
笑するか顧みて他を言うのほかなし。即ちその身の弱点《よわみ》にして、小児の一言、
寸鉄|腸《はらわた》を断つものなり。既にこの弱点あれば常にこれを防禦するの工風《....
「妾宅」より 著者:永井荷風
瀬《おうせ》の約束やら、これから外《ほか》の座敷へ行く辛《つら》さやら、とにかく
寸鉄《すんてつ》人を殺すべき片言隻語《へんげんせきご》は、かえって自在に有力に、....
「河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
が岐路に立って迷うひとのために、時に善き教訓となり、あやうくひとの生命を守り得る
寸鉄のはたらきと……ならんでもないが、このごろのようにふぐの安全料理が確立して、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
を吐きて途方に暮れぬ。他の事ならず。得三は刀を手にし、短銃を腰にしたり。我泰助は
寸鉄も帯びず。相対して戦わば利無きこと必定なり。とあって捕吏を招集せんか、下枝は....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
二三本とを同じくテーブルの上に載せて、無言でポケットをたたいて見せた。もはや身に
寸鉄も帯びていないという事を示す積りらしかった。 深夜、危険を冒して入って来た....