寺侍[語句情報] »
寺侍
「寺侍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
寺侍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
客……多くはお寺さんですが、それに幾らかの元手を出して貰って小商いでも始めるか、
寺侍の株でも買ってもらうか、又は小間物や煙草の行商になる。お寺にむかし馴染がある....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かれは三十五六の人品のよい男で、町人でもなく、さりとて普通の武家でもないらしい。
寺侍にしては上品すぎる。あるいは観世《かんぜ》とか金剛《こんごう》とかいうような....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の米友の仕事は、ここで、雑巾《ぞうきん》がけをするだけのことですが、そのうちに、
寺侍たちが、いつか米友の槍の達人であることを知って、今では折々その師範役を兼ねて....
「尼になった老婆」より 著者:田中貢太郎
でも、もう、なむあみだぶ、なみあみだぶ、と念仏をはじめました。 先供をしている
寺侍の笠が見えたかと思うと、門跡様一行の行列が見えてまいりました。念仏の声はます....
「花を持てる女」より 著者:堀辰雄
とりのための墓ではない。父方の上条家《かみじょうけ》の代々の墓なのである。上野の
寺侍だったという祖父、やはり若いうち宮仕えをしていたという祖母、明治のころ江戸派....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
時代であった。 この講談は町奉行所の与力鈴木藤吉郎を主人公として、それに上野の
寺侍杉田|大内蔵と柳橋の芸妓小染を配したもので、「三組盃」の題名はこの三人を意味....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
も誘拐す必要がある」 こういったのは三十年輩の、いやらしいほどの美男の武士で、
寺侍かとも思われる。俳優といってもよさそうである。衣裳も持ち物も立派である。が、....
「挿頭花」より 著者:津村信夫
戸隠の月夜は九月に這入ると、幾晩もつづいてゐた――。 昔、
寺侍が住んでゐた長屋、そして一棟の長細い渡り廊下のやうな納屋の壁にそつて、鶏頭の....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
付け届けや、袖の下がふんだんにあったから、別当は実に裕福であった。別当には、常に
寺侍が勘定方を勤めていて住職自身は決して金に手を触れない。年に二回の霊祭の時に、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
なって玄関先に御歩を止め御覧になってお出でで御座いました。岡倉美術学校校長は徳大
寺侍従長のお取り次ぎで御説明を申し上げておりました。すると、聖上には、何時か、御....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
自分を尾けているのに、与惣次は気が付いたのである。町家の新造のような、それでいて
寺侍の内所《ないしょ》のようなちょっと為体の知れない風俗《つくり》だったが、どっ....
「蓮月焼」より 著者:服部之総
太田垣伝右衛門光古《おおたがきでんえもんてるひさ》と名乗る知恩院《ちおんいん》の
寺侍で、一人むすめの彼女――名はせい――に、彦根《ひこね》の近藤某を婿にとって男....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
名寺へかくれていた。――だが、そこもまた両軍の交戦場となりはじめたので、称名寺の
寺侍に付き添われ、船へ移って、海路、三河の一色村へ落ちのびて行ったのだった。 ....
「山の人生」より 著者:柳田国男
姿でなく特に護法と称して名ある山寺などに従属するものでも、その仏教に対する信心は
寺侍・寺百姓以上ではなかった。いわんや自由な森林の中にいるという者に至っては、僧....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
、下谷から根岸の里へ。――根岸もずっと淋しい寛永寺裏の一軒の小屋敷、まず、上野の
寺侍の住みそうな門のまえで降ろされた。 近くには、同じ
寺侍のやしきが多い。お袖....