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「寺子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寺子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ほんの筆先《ふでさき》一点張りでげす。まるで腹には、何にもありやせん。あればまず寺子屋の師匠でも言いそうな、四書五経の講釈だけでげしょう。だからまた当世のことは....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
才ちゃんが言うのよ。お父さんはね、お侍が浪人をしたのですって、――石橋際に居て、寺子屋をして、御新造さんの方は、裁縫を教えたんですっさ、才ちゃんなんかの若い時分....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
三あった。 今日ならば、生徒|虐待とか云って忽ちに問題をひき起すのであろうが、寺子屋の遺風の去らない其の当時にあっては、師匠が弟子を仕込む上に於いて、そのくら....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
有である。地獄も見て来たよ――極楽は、お手のものだ、とト筮ごときは掌である。且つ寺子屋仕込みで、本が読める。五経、文選すらすらで、書がまた好い。一度|冥途を※っ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
一|度で腑には落ちまいが、その中だんだん判って来る……。』 お爺さんはあたかも寺子屋のお師匠さんと言った面持で、いろいろ講釈をしてくださいました。お爺さまは斯....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
声をひそめて他聞を憚るらしく、自分の前に坐っている、これも六十を過ごしたらしい、寺子屋の師匠とでも云いたげの、品のある老人へ囁いた。「ところがそれっきり旅の者は....
おせん」より 著者:邦枝完二
踏む人の足音が聞えはじめたことも、何もかも知らずに、ただ独り、破れ畳の上に据えた寺子屋机の前に頑張ったまま、手許の火鉢に載せた薬罐からたぎる湯気を、千|切れた蟋....
中支遊記」より 著者:上村松園
でいる。 莫愁湖の畔にもの寂びた堂があり、そこでは付近の子供を二、三十人集めて寺子屋のような学校がひらかれていた。その二、三十人がみんなその唐子達である。私た....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
川仲町の、六畳一間の棟割長屋に、雪解に汚れた足を洗って、机というのも名ばかりの、寺子屋机の前に端然と坐った馬琴は、独りこう呟きながら、痩馬のようにニヤリと笑った....
勘平の死」より 著者:岡本綺堂
っ張り出してください。 十右衛 はい。(伝兵衛と顔をみあわせる。) 半七 とんだ寺子屋だか、一匹ずつに首実験だ。早く引摺って来てください。 十右衛 はい、はい。....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
柱へ、綾と錦と、薄暗く輝く裡に、他国ではちょっと知りますまい。以前、あのあたりの寺子屋で、武家も、町家も、妙齢の娘たちが、綺麗な縮緬の細工ものを、神前仏前へ奉献....
私の机」より 著者:岡本綺堂
われていて、手習をする子は皆それに向ったものです。わたしもその一人でした。今でも寺子屋の芝居をみると、何だか昔がなつかしいように思われます。 これも今はあまり....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
狂言は「忠臣蔵」の三段目、四段目、「勧進帳」「高時」「曾我の討入」「伊勢三郎」「寺子屋」「忠信道行」「義経吉野落」「土蜘蛛」「山姥」「あやつり三番叟」「六歌仙」....
米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
リン・ホールの人たちで、それに大学の学生たちが加わっているのです。涎くりその他の寺子を呼出しにくる村の者は、すべて大学生であるということを後に聞きました。 幕....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
り」。しかし人の歴史は心に残る最初の記憶から始まる。私の場合、それは五歳のころの寺子屋時代であった。なんでも友だちのすずりを前歯でかみ割ってえらく泣かれて困った....