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「寺方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寺方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吉原新話」より 著者:泉鏡花
ろうというんです。傍が御迷惑をなさる、とこの方を関所破りに扱います、困りました。寺方はちょっと聞くと可いようで、億劫ですし、教会へ持込めば叱られます。離れた処で....
食魔」より 著者:岡本かの子
と、娘を父の寺へ上せて身罷ったという。他の事情は語らない母親も「お罪障消滅のため寺方に上った身が、食べ慾ぐらい断ち切れんで、ほんまに済まんと思うが、やっぱりお罪....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
渡って退いたといわれる。越軍の大部分は陣馬ヶ原で返撃し、丹波島の犀川を渡って善光寺方面へ総退却した。この犀川をわたるに当って甲軍の新手の追撃をうけて或は討死し或....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ございません、四年|已前に死去りまして、子供もなし、寡婦暮しで、只今はお屋敷やお寺方の仕事をいたして居りますので、お召縮緬の半纒などを着まして、芝居などへまいり....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
から方丈へ通って、一礼座了で式が済んだ。わざとばかりの饂飩振舞のあとには、隣村の寺方、村の宿役人仲間、それに手伝いの人たちなぞもそれぞれ引き取って帰って行った。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
しいものの死後をあまり人任せにし過ぎたと言い、旧宿役人時代から彼は彼なりに在家と寺方との関係を考えて来たとも言って、もし旧本陣でこの事を断行するなら、伏見屋でも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゆ》り上げて、いずこまでもこの駕籠と競争する気になりました。 この駕籠は、竜泉寺方面から下谷を経て、本郷台へ上ります。 本郷も江戸のうちと言われた、かねやす....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
する仕事にも、それぞれちゃんとした典拠があったようだ。 あるとき又四郎が、さる寺方から頼まれて、築山を造ったことがあった。その仕事振を見ようとして、住職がぶら....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
の温気のない世界をいかに羨むことか知れない。 或年の夏の末、私の友人が私を吉祥寺方面へ誘った、そして私の仕事の便宜上、その辺で住めばいいだろうといって地所や家....
死者の書」より 著者:折口信夫
れぬ。寺の四至の境に在る所で、長期の物忌みして、その贖いはして貰わねばならぬ、と寺方も、言い分はひっこめなかった。 理分に非分にも、これまで、南家の権勢でつき通....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
い》まで馳《は》せつけたのは、格別手間のかかることではありませんでした。 臨川寺方丈の庭より見下ろす寝覚の床。そこへ来て見ると案の如く幾多の旅人が指をさし、眼....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
太夫が出て往くと、権兵衛は一枚の半紙を取って筆を走らせ、それを封筒に容れて表に津寺方丈御房と書き、そして、それを硯の下へ敷いた。 口上書を以て残候事 港....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
ことでございます。只今もばばと話して歯噛みをして居ったところでござりました。三井寺方の申条によれば、門徒宗の方に於て開山聖人さまの御影像を取戻し度くば、生首二つ....
座右第一品」より 著者:上村松園
がありましたり元信の山水に応挙の花鳥、狙仙の猿……恐らく博物館に陳列されましたお寺方の絵ですと、大抵一通りは写してあります。 確か六曲屏風だったと思いますが、....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
引)に、武州幸手の月輪院僧正が、エタの由来を説明した中に、 、叡山の犬神人、皆是寺方の掃除の為なり。 とあるのは、起原の説明としては勿論取るに足らぬが、エタが....