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「寺男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寺男の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
という四十ばかりの僧で、ほかに周道という十五六の小坊主と、権七という五十ばかりの寺男がいる。そのなかで最も眼をつけられたのは周道であった。かれは年の割に腕っ節が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
分の身許を明かして、直ぐに医者を呼んで貰いたいと頼むと、納所は異議なく承知して、寺男を表へ出してやった。 吉五郎らの身許を知ったので、寺でも疎略《そりゃく》に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いて、三人はまずほっとした。お袖は顔の色を失って、口も利かれなかった。 お琴は寺男に水を貰って、お袖に飲ませた。自分たちも飲んだ。山を降りると、急に暑くなった....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う二十一歳の納所《なっしょ》と、英俊という十三歳の小坊主と、伴助という五十五歳の寺男と、あわせて三人がこの寺内に住んでいた。伴助は耳の遠い男であったが、正直者と....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
葉が、玄関に通う石甃《いしだたみ》を一面にうずめていた。庫裏《くり》をのぞくと、寺男の銀蔵おやじが薄暗い土間で枯れ枝をたばねていた。 「おい、忙がしいかね」と、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
には盗難もなかったそうです。それでも江戸は生馬の眼をさえ抜く所だからと云うので、寺男がひと晩のうちに三度は見廻ることになっていて、寺男の弥兵衛が九ツと八ツと七ツ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
母のお金は先年病死した。父の定吉は花屋を商売にしている他に、この寺内が広いので、寺男の手伝いをして草取りや水撒きなどもしている。自分の名はお住、年は十七であると....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
たりを籠めて、陰々として、鬼気が籠るのであったから。 鋏は落ちていた。これは、寺男の爺やまじりに、三人の日傭取が、ものに驚き、泡を食って、遁出すのに、投出した....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、護摩を焚いたと云うのが始まりで、それなり本堂へ戻って来ず、今朝六時半になって寺男の浪貝久八がこの堂内で屍体を発見したのだ。それに、境内は四の日の薬師の縁日以....
家なき子」より 著者:楠山正雄
張り番の犬を置いた。一時十五分|過ぎにおそい通行人が寺の明かりを見つけて、すぐに寺男を起こした、五、六人、人が寺へかけつけると、犬ははげしくほえて、どろぼうは犬....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
、上のその木戸はの、錠、鍵も、がさがさと壊れています。開けたままで宜しい。あとで寺男が直しますでの。石段が欠けて草|蓬々じゃ、堂前へ上らっしゃるに気を着けなされ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
内して、拝見……を願おうと……それにしても、竹の子上人は納所なのかしら、法体した寺男かしら。…… 女神の簪の音を、わざとでなく聞こうとして、しばらくうっかりし....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
に掛けた、その両手に、太杖を屈づきに、突張って、馴れて烏の鳴く樹の枝下へ立つと、寺男が、背後から番傘をさしかけた。 「大僧正の見識じゃの、ははは。」 と咽喉を....
審判」より 著者:カフカフランツ
まずき、それを見上げている老婆ただ一人に出会っただけだった。次に、もう一人の跛の寺男が壁の扉に消えてゆくのを遠くから見た。Kは時間きっかりに来て、ちょうどはいっ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
墓地も僕にはなつかしかった。僕は僕の友だちと一しょに度たびいたずらに石塔を倒し、寺男や坊さんに追いかけられたものである。尤も昔は樹木も茂り、一口に墓地というより....