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「寺領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

寺領の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らには、宗旨は高野山だ。おまえなぞ知るめえが、高野はこの世のあの世、ひと足お山の寺領へ逃げ込めば、この世の罪は消滅、追っ手、捕《と》り手、入山禁制のお山だ。この....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
わさざれば不審に思いいたる折柄、扉を排して丈高き騎士現われたり、見るに、バロッサ寺領騎士の印章を佩け、雷の如き眼を※と名付けて降矢木の家を創しぬ。されど帰国後吾....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
けれども及ばない。せめてと云うので西春日井郡|小木の里に政秀寺という菩提寺を建て寺領二百石を附した。(後に清須に移し今は名古屋に在る) 信長鷹野で小鳥を得ると....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
を養う事が出来た。併し後には、余りに其の寄寓が多いので費用がかさみ、盛んに、その寺領である諸国の荘園に、用米の催促をして居るのである。諸荘では大いに不満の声を上....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、救いを求めてすがり寄る罪びとを大慈大悲の衣の袖に匿うたとて何の不思議がござる。寺領の掟すらも弁えぬめくら武士が、目に角立ててのめくら説法、片腹痛いわッ。とっと....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、やはり伝通院でした。開基は了誉上人、始祖家康の生母がここに葬られているために、寺領六百石を領して、開山堂、弁財天祠、外久蔵主稲荷、常念仏堂、経堂、無縁塚坊舎が....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
屈服するようになった。今はこの国に仏寺も多く、御朱印といい諸大名の寄付といって、寺領となっている土地も広大なものだ。そこに住む出家、比丘尼、だいこく、所化、男色....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て、神社仏閣の地における女人結界の場処も廃止された。この勢いのおもむくところは社寺領上地の命令となり、表面ばかりの禁欲生活から僧侶は解放され、比丘尼の蓄髪と縁付....
死者の書」より 著者:折口信夫
り集め出した。其を見て居た寺の婢女が、其はまだ若い、もう半月もおかねばと言って、寺領の一部に、蓮根を取る為に作ってあった蓮田へ、案内しよう、と言い出した。あて人....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
ありました。しかして丘の上には赤い鐘楼のある白い寺だの、ライラックのさきそろった寺領の庭だの、ジャスミンの花にうもれた郵便局だの、大槲樹の後ろにある園丁の家だの....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
た。すると脱税や使役をのがれるために戸籍をごまかしたり、逃亡をやり、税のかゝらぬ寺領や貴族領へのがれたり、または私田を寄進したりする。こうして荘園が栄え、貴族栄....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
寄進して脱税をはかるという風潮が全国一般のことになったから、国有の土地が減少して寺領とか権門勢家に所属する荘園がふとって、貴族や寺院は富み栄えて貴族時代を現出す....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の耕作および牧畜より収入せるもののいくぶんを寺院に上納せしむるこれなり) (二)寺領地(寺院にて従来所有せる土地をいう) (三)座料(寺院にてその堂内の席を檀家....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
別問題として保留し、さらにこれを地方の荘園村里について考うるに、ここにもまた興福寺領における唱門の如き役務に従事するものが必要であったに相違ない。現に奈良におい....
放免考」より 著者:喜田貞吉
、禁裏に参上したものであった。また「蔭涼軒日録」長禄二年十一月二十二日条に、相国寺領北畠・柳原の散所の事が見えている。この北畠の散所は「言継卿記」の北畠の声聞師....