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「対句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

対句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇遇」より 著者:芥川竜之介
たい》の会真詩《かいしんし》三十韻《さんじゅういん》を出して見せた。詩は花やかな対句《ついく》の中に、絶えず嗟嘆《さたん》の意が洩らしてある。恋をしている青年で....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
」 「そうです。まさに|吾なんじを称えん――じゃ」真斎は微かに動揺したが、劣らず対句で相槌を打った。 「しかし、ある場合は」と法水はちょっと思案気な顔になり、「....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
がめていたら、「樹静かならんとすれど風やまず……」という、あの小学読本で教わった対句がふいと想い出された。 参らせん親は在さぬ新茶哉(昭和七年七月、渋柿) プ....
春昼」より 著者:泉鏡花
「ははあ、」 「男はそうでない。惚れてる婦人が、小野小町花、大江千里月という、対句通りになると安心します。 唯今の、その浅黄の兵児帯、緋縮緬の扱帯と来ると、....
早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
amah”(「諸王の書」の意。イランおよびペルシャの君主英雄の行為を歌った約六万対句の叙事詩)の中の Turan 王 Pesheng の子。イランの諸王との長い戦争ののちに捕えられて殺される。....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
、この生活のモットーは「義は即ち君臣、情は即ち父子」という支那の文人の好みそうな対句にあるという。かくて新日本主義は愈々「新」日本主義としての面目を明らかにする....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ルな運動も発生しはしないではないか。彼の過剰なパラドックスは、だから、殆んど全く対句と同様な資格で使われているに過ぎないのである。 「無秩序は当然秩序への希望....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
乱、攪乱という風に、うまく別々で而も似たような乱し方が並べられているが、そういう対句めいた作文で処罰される人間こそいい迷惑だ。そうなると立法も一種の道楽のような....
露肆」より 著者:泉鏡花
青森の大火、御承知でありましょう、失火の原因は、皆この洋燈の墜落から転動(と妙な対句で)を起しまする。その危険な事は、硝子壺も真鍮壺も決して差別はありません。と....
蓮花公主」より 著者:田中貢太郎
くかすかであった。やや暫くして王は左右を顧みて、 「朕が一言いうから、その方達に対句をしてもらおう。」 といって一聯の句を口にした。 「才人桂府に登る、四座|....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
う? と、不意に一人の男らしい声が、自分でギターで伴奏をしながら、甘ったるい声で対句《カプレット》をうたい始めた。 つきぬ力にひかされて いとしき人を慕いつ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
響きのよい言葉とで飾られる時には、彼らはどんな物でも丸飲みにした。あらゆるものが対句《ついく》の材料となった。すべてが文句だった。すべてが遊戯だった。ユーゴーは....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
したものに他ならぬ。そしてこれに対して我が国を日出処と書いたことは、単に修辞上の対句であった。けだし従来使用の倭国の称が、我が国号として不適当であるとの自覚から....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
わった彼の、情熱と詩との、偉大な生涯の出発だった。 ダンが、そのように軽業的な対句を夢中にひねくっている一方で、エセックスはダンの対句に材料を提供したこの損害....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
。 「みみず花を見ず。ねずみ星を見ず」秋月君は冷え茶をぐっと飲み干してからこんな対句を吐いた。「戦災地に住み慣れては低い戦災者根性に引き下げられて、高く美しきも....