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対座
「対座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
対座の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
互の間に始めてこんな気づまりな気持を味いながら、顔を見合せるのも憚《はばか》って
対座していた。
「どうしてもお前はいやというのか」
おせいはもう涙も出なかった....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、兄にだまっていて頂けますか。実を云いますと、いつも御霊《みたま》所の中で、母と
対座しておりますうちに、兄は時折、その高代という言葉を口にするのです。私はそれを....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
、大体房枝の殺された時刻が判って来た。つまり、「青蘭」の女給達に見られて、澄子と
対座していた房枝が、荒々しく窓の硝子戸を締めた、あの時から、十一時頃までの間に殺....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を依頼すべく、法水等は階下の広間に赴いた。
広間の中には、押鐘博士と旗太郎とが
対座していたが、一行を見ると立ち上って迎えた。医学博士押鐘童吉は五十代に入った紳....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
ンクを外した。そしてのこのこと立ち現れて、部屋の真中に立っている服装正しい博士と
対座した。二人の博士。一体これはどういうわけであろうか。 裸の博士は、そこで大....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私の方でもすっかり安心して、勿体ないとは思いつつも、いつしか懇意な叔父さまとでも
対座しているような、打解けた気分になって了いました。 『あの大そう無躾なことを伺....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
軈てカイゼル氏の案内で、間もなく大月と秋田は、ささやかなサロンで比露子夫人と
対座した。 悲しみの為か心なしやつれの見える夫人の容貌は、暗緑の勝ったアフタヌ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
たに差し上げましょう」 三十分の後には、私はマンネリング家の応接間でキッティと
対座していた。――現在の幸福感と、もう二度と再び幽霊などに襲われないで済むという....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
た。 ところが、その日のうちに、片身の本体が明らかにされたと云うのは、そうして
対座中、どうしたことか、法水が聴耳を立てはじめたからである。 それはどこかから....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
突然一転する。そうなると想像の糸がふっつりと断たれて殆ど判別が出来なくなる。客と
対座するときには曾乃刀自が脇についていて、喇叭を通して、仲介に立って、客の言葉を....
「光は影を」より 著者:岸田国士
どの必要がなければ、買物以外に外へ出たためしはなく、親戚のものでもなければ、客と
対座するのが苦痛のようであつた。そのくせ、子供たちの面倒は至つてよくみる方で、男....
「役者の顔」より 著者:木村荘八
―古名優――では、私は親しくは源之助と羽左衛門とに、何回か互の間三尺とは隔てずに
対座した経験を持っていますが、源之助の切れの長い眼の美しさなどは妙な云い方ながら....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
。 今その例を示すに、最も簡便なるものは、俗に癖というものこれなり。人と互いに
対座するの際、あるいは折々首をかくものあり、あるいは折々膝を擦するものあり、ある....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
、三度しかなかった。シカモその二、三度も、待たされるのがイツモ三十分以上で、漸く
対座して十分かソコラで用談を済ますと直ぐ定って、「ドウゾ復たお閑の時御ユックリと....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ソロ食堂へつめかけ、鐘報を待ち構えておる。一食卓に十八人ずつ互いに向かい合わせて
対座するが、給仕のボーイは一人である。しかしボーイの熟練には感心する。スープやほ....