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対比
「対比〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
対比の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《か》びんのそばに咲きかけの桜を置いて見るようだった。葉子はふと心に浮かんだその
対比を自分ながらおもしろいと思った。そんな余裕を葉子は失わないでいた。
「わたし....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
うと、その灰色がまったく白ちゃけてしまうのであるが、この場合も、それと同じ色彩の
対比であろうか。皓歯《しらは》の輝きが一つ一つ消え行くにつれて、それに取って代っ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
弦三は、雷門の地下道に蟠る不穏な群衆のことを、この須田町の秩序正しい青年団に
対比して、悪夢を見たように感じたのだった。しかし、それは果して夢であったろうか。....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
神の個人的傾向を表わしていて、儒教という姿で現われている北方シナの社会的思想とは
対比的に相違があるということである。中国はその広漠たることヨーロッパに比すべく、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ンタリズムを脱し、賑やかな官能を追い求めることに熱中した時代であって、この主流に
対比しては、いよいよ紫苑氏の詩風は古臭く索漠に見えた。それでも氏の詩作は続けられ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、アインシュタインの反太陽説も反駁しているのです。ところが久我さん、その二つを
対比してみると、そこへ、黙示図の本流が現われてくるのですよ」とさながら狂ったので....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
ところが、驚いたことに、姉さんの犯罪にはその方法と動機とが、ちょうど二重人格的な
対比を示しているのです。あの蒙迷固陋な宗教観に引き換えて、犯行の実際には真にすば....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、ボルルワスキーかニコラス・フェリー――臭いのだが……」 あるいは、朱と暗緑の
対比から、発しているのかもしれないが、事実その絵からは、竦ませるような鬼気が迫っ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
てみたのだね。素人くさいのはしかたがないとしても、陰影のとりかたなど、まずいね。
対比もおもしろくないよ。それはそれとして、二人とも好い死かたをしたという、あのこ....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
大噪音の中に、一糸を乱さず、職工を叱※する錆びた声……なぞの中には、松籟、濤韻と
対比すべき或るものを含んでいることを、よく気付かせられる。 これを要するに、吾....
「妖怪学」より 著者:井上円了
の性質を明らかにして、今日の事情に適する方法を用うるに至らば、これを医家の療法に
対比して、一科の療法を組織することを得べし。しかして、心理療法の中には自療法、他....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
恐れた。果せる哉、鴎外は必定私が自己吹聴のため、ことさらに他人の短と自家の長とを
対比して書いたものと推断して、怫然としたものと見える。 その次の『柵草紙』を見....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
もまた世界和平に参加したらいいではないか。そして彼は、オランダを、アイルランドに
対比せしめて、次のように指摘した。イングランドの財源を枯渇せしめている目下の宿痾....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
た浜口元民政党総裁が、議会の要求に応じて病を押して出席し、遂に倒れて行った態度と
対比してみまして、吉田総理の非民主的な、封建的な行動は、民主的日本の総理として、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に近きドイツと、ローマ民族に近きフランスが、欧州大戦初期に行なえる会戦指導方針と
対比し、ここに面白き対照を与う。また、その使用せる武力の性質によりしといえども、....