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対物
「対物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
対物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
、話しを所謂自由主義に向けることにしよう。云うまでもなく自由主義はファシズムの反
対物で、ファシズムは自由主義の敵だと、普通は信じられている。処が今まで云って来た....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
の舞台が室内にでも戸外にでも海上にでも砂漠にでも自由に選ばれる。そうしてカメラの
対物鏡は観客の目の代理者となって自由自在に空間中を移動し、任意な距離から任意な視....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
術家――を保護し優遇する筈である専売特許制度は、資本主義社会に於ては却ってその反
対物に移行している。之によって保護され優遇されるものは、発明技術者ではなくて、パ....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
に転化し得る性質を有っている。ジャーナリズム化――商品化――こそ科学大衆化の正反
対物に外ならない。 * 公衆に就いてはタルドの前掲書を見よ。 科学の大衆性の正....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
し永久化そうとする処の、ブルジョア的社会概念を、分析解体することによって、その反
対物にまで導いたものは、マルクス主義の理論である。之によってブルジョア社会は、そ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
同一律がある(形式的論理は形式的であり非実在的である、之だけで已に夫が唯物論の反
対物・観念論的存在論に相当する所以は明らかであろう)。 弁証法的論理は之に反し....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
う形相としての存在に対立して初めて、物質(質料)は存在どころではなく、それの正反
対物である無と同一視される。之は存在乃至物質に就いての観念論的な概念なのである。....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
――尤も憎悪という心情と同情という心情とは、主観の作用として見る限り、なる程正反
対物で、同じだなどとはいえた義理ではない。併し大事な点はそこだ。 というのは、....
「辞典」より 著者:戸坂潤
う一定形態(形相、形式、エイドス、本質)を指し示す。それは生成変化するものの正反
対物であり、又それであればこそ感性界の有為転変の彼岸としてプラトンが召し出した所....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
自由主義は、評判が悪いにも拘らず、実は初めから多少とも「改革」的なのだ。改革の反
対物さえが日本では改革的なのだ。ここにもまた改革の根本的矛盾が現われているのであ....
「科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
神・引用精神・をば非科学的・反科学的・にするのだ。引用精神の独裁が科学的精神の反
対物を齎すのである。 私はすでに、この消息を、文献学主義(フィロロギー主義)と....
「塵埃は語る」より 著者:小酒井不木
夫君はポケットから皺になった紙包みを取りだし、その中の塵埃を、耳かきですくって、
対物ガラスの上にのせ、顕微鏡でのぞきました。 「色々なものがある」 こう言って....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
た。一つの決断は、戦争を意味する――戦争は彼女の心のなかにあるいっさいに対して反
対物である。その気質においてのみならず、その実践においても、歴史上のどんな偉大な....
「思想動員論」より 著者:戸坂潤
。処がひとの書く論文の初の方しか頭に這入り切らない批評者達には、統制と構成とは反
対物だなどと判り切ったことを云う、と云って批難した向きもあったが、要点はそんな概....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
ら、彼は手紙と二つの名刺を取って土の上におき、鞄の蓋をあけて小型顕微鏡をだして、
対物レンズと対眼レンズの度を最低にし、拡大単位を十倍ぐらいにした。それからスライ....