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「対症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

対症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大島が出来る話」より 著者:菊池寛
に依《よ》る、背広と三十円とは、譲吉が今迄感じて居た、不快な圧迫に対する、最上の対症薬であった。入社した二三週間目からは、譲吉も自分の服装に相当の自信を以て、快....
」より 著者:夏目漱石
る。その腹痛と言う訴《うったえ》を抱《いだ》いて来て見ると、あにはからんや、その対症療法として、むずかしい数学の問題を出して、まあこれでも考えたらよかろうと云わ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
銀粉、鹿頭、白花蛇、烏蛇、樟脳、虎胆の七種を、丸薬として服ませもするが、これとて対症的療法に過ぎない。東洋では鍼術を行うが、これはほとんど無効らしい。純粋薬物療....
今日の文学の諸相」より 著者:宮本百合子
さが見なおされた。長篇が本質の貧寒さから、時流におされて素材で押し出す傾に陥った対症として、作家が真のモティーヴをもって描く短篇のうちにのこされた文学性がかえり....
昭和十五年度の文学様相」より 著者:宮本百合子
の文学の敗北の投影がみられる。そして、評論の面では、誤った文学の政論化功用論への対症として、文学の本質に再び一般の理解を据え直し、云わば文学とはどういうものかと....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
療しか道のないこともわかりました。だって、おくれてからの手当なんて非常にまだまだ対症的ですもの、根本的でないのですものね。ああいう風に少しどうかという健康状態の....
わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
手へ一年、又、小田原へ一年というグアイに、放浪生活を送ったのも、自らは意識せずに対症療法を行っており、無自覚のうちに、巧みに発病をそらしていたのかも知れない。 ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
現実の傷を手当てしろ。傷口をできるだけ小さく食いとめ、痛みを早く治せ。それだけの対症療法があるだけさ。君は、何か、手当てについて、考えたり、やってみたり、したか....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
数人毒矢に当たったが、幸いに命は取られなかった。永い露営のその間に研究して置いた対症療養がこの時効を奏したのである。 戦闘は発展しなかった。敵も味方も居坐った....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
る感化院や監獄を設置し、あたかも病人に対する医者の態度で渠らの犯罪や悪癖に対する対症療法を研究するが社会政策上最も急務である。これまでのいわゆる哲学や宗教や道徳....
冒した者」より 著者:三好十郎
ばサナトリアムだけを取って見ても、大体、テーベーに対する局所的な、しかも主として対症療法を、主として、結局一言に言うと、クランケを唯寝せとくと言うのが大部分です....
好日」より 著者:三好十郎
業《ごう》を引きのばすだけだもんなあ。おふくろに言わせるとさ。業だ。言って見りゃ対症療法だね。必要なのはオペラチオンだ。 三好 ……だけど、先生が、今迄なすって....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
発したので、私たちは敗血症じゃないか、何か新しい急性伝染病じゃないかなどと疑い、対症療法を施しつつ詳細に観察しているうちに、血液疾患中の顆粒細胞欠乏症に酷似して....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
はありません。差別にも平等にも、自ずからそれ相当の価値と限度があって、病に対する対症療法のようなものです。物事、道に中って行われるようになれば、差別も平等も自ず....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ることであり、またもちろんもっとも必要なことではありますが、しかしそれはいわゆる対症療法ともいうべきもので、熱の高い患者に氷をあてがい、心臓の弱った患者に強心剤....