対症療法[語句情報] »
対症療法
「対症療法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
対症療法の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
る。その腹痛と言う訴《うったえ》を抱《いだ》いて来て見ると、あにはからんや、その
対症療法として、むずかしい数学の問題を出して、まあこれでも考えたらよかろうと云わ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
痘を一種の異毒異気だとして、いわゆる八証四節三項を分ち、偏僻の治法を斥けた。即ち
対症療法の完全ならんことを期したのである。 わたくしは抽斎の師となるべき人物を....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
手へ一年、又、小田原へ一年というグアイに、放浪生活を送ったのも、自らは意識せずに
対症療法を行っており、無自覚のうちに、巧みに発病をそらしていたのかも知れない。 ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
現実の傷を手当てしろ。傷口をできるだけ小さく食いとめ、痛みを早く治せ。それだけの
対症療法があるだけさ。君は、何か、手当てについて、考えたり、やってみたり、したか....
「雁」より 著者:森鴎外
朝一夕に解決の出来ぬ難問題を提出する。要するに末造が女房の病気に試みた早出遅帰の
対症療法は全く功を奏せなかったのである。 末造は又考えて見た。女房は己の内にい....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
る感化院や監獄を設置し、あたかも病人に対する医者の態度で渠らの犯罪や悪癖に対する
対症療法を研究するが社会政策上最も急務である。これまでのいわゆる哲学や宗教や道徳....
「冒した者」より 著者:三好十郎
ばサナトリアムだけを取って見ても、大体、テーベーに対する局所的な、しかも主として
対症療法を、主として、結局一言に言うと、クランケを唯寝せとくと言うのが大部分です....
「好日」より 著者:三好十郎
業《ごう》を引きのばすだけだもんなあ。おふくろに言わせるとさ。業だ。言って見りゃ
対症療法だね。必要なのはオペラチオンだ。 三好 ……だけど、先生が、今迄なすって....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
発したので、私たちは敗血症じゃないか、何か新しい急性伝染病じゃないかなどと疑い、
対症療法を施しつつ詳細に観察しているうちに、血液疾患中の顆粒細胞欠乏症に酷似して....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
はありません。差別にも平等にも、自ずからそれ相当の価値と限度があって、病に対する
対症療法のようなものです。物事、道に中って行われるようになれば、差別も平等も自ず....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ることであり、またもちろんもっとも必要なことではありますが、しかしそれはいわゆる
対症療法ともいうべきもので、熱の高い患者に氷をあてがい、心臓の弱った患者に強心剤....