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封
「封〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
封の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
かけた好人物らしい老人だった。
「いえ、何、お礼には及びません。」
彼等は竈に
封印した後、薄汚い馬車に乗って火葬場の門を出ようとした。すると意外にもお芳が一人....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
この我儘な希望通り取計らわれたばかりでなく、宿も特に普通の旅館を避けて、町内の素
封家《そほうか》N氏の別荘とかになっている閑静な住居《すまい》を周旋された。私が....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
日《きょう》はまだやっと十何日かである。二十八日の月給日に堀川教官殿と書いた西洋
封筒《せいようふうとう》を受け取るのにはかれこれ二週間も待たなければならぬ。が、....
「影」より 著者:芥川竜之介
》も、口を開かせない不機嫌《ふきげん》さがあった。今西は冷かに目礼すると、一通の
封書を残したまま、また前のように音もなく、戸の向うの部屋へ帰って行った。
戸が....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
彼は敵打《かたきうち》の一行《いっこう》が熊本の城下を離れた夜《よ》、とうとう一
封の書を家に遺して、彼等の後《あと》を慕うべく、双親《ふたおや》にも告げず家出を....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
この麻利耶観音は、私の手にはいる以前、新潟県のある町の稲見《いなみ》と云う素
封家《そほうか》にあったのです。勿論|骨董《こっとう》としてあったのではなく、一....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
たおかげでまた召還され、中書令《ちゅうしょれい》になり、燕国公《えんこくこう》に
封ぜられましたが、その時はもういい年だったかと思います。子が五人に、孫が何十人と....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
たされましてな。」
神山は浅川の叔母に一礼してから、懐《ふところ》に入れて来た
封書を出した。
「御病人の方は、少しも御心配には及ばないとか申して居りました。追....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
風景でも仕かたはありません。達雄は場末《ばすえ》のカフェのテエブルに妙子の手紙の
封を切るのです。窓の外の空は雨になっている。達雄は放心したようにじっと手紙を見つ....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
そうである。その上皆夢の中に、天国の門を見たそうである。天国は彼等の話によると、
封建時代の城に似たデパアトメント・ストアらしい。
ついでに蟹の死んだ後《のち》....
「少年」より 著者:芥川竜之介
。窓と云う窓はいつまで待っても、だらりと下った窓かけの後《うしろ》に家々の秘密を
封じている。保吉はとうとう待ち遠しさに堪えかね、ランプの具合などを気にしていた父....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
う》ものか怠けものである。
*
我我を支配する道徳は資本主義に毒された
封建時代の道徳である。我我は殆《ほとん》ど損害の外に、何の恩恵にも浴していない。....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
事が書いてある。すでに彼は、「東方」にさえ、その足跡を止めている。大名と呼ばれた
封建時代の貴族たちが、黄金の十字架《くるす》を胸に懸けて、パアテル・ノステルを口....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
た、そんな人間の存在は私の心をほとんど動かさないのである。が、ふと手にした一枚の
封筒が私をはッとさせた。
封筒の上には大きな文字で太く私の名が書かれてある。それを....
「初雪」より 著者:秋田滋
へ帰ると、良人から手紙が来ていた。彼女は相かわらず微かな笑みをうかべながら、その
封を切って、それを読みだした。 日ましに快いほうへ向ってくれればと、そればかりを....